【目次】
   ●新着
   ●タイトー系
   ●ナムコ系
   ●カプコン系
   ●セガ系
   ●コナミ系
   ●その他アーケード
   ●パソコン系
   ●コンシューマ系


★もっとゲームミュージックを聴こう!


このページをご覧になっている方はゲームミュージックに興味のある方が多いと思いますが、「ゲームミュージックってなに〜?」とか「あんなの聴いて楽しい?」とか思っている方もいらっしゃるでしょう。

でもね、ゲームミュージックって実際とても楽しくて奥が深いんですよ。特に昔の音楽なんかテクニックが深い深い。

それで「なにが深いの〜?」と興味をお持ちになった方もいらっしゃるでしょう。このページはそのようなちょっと奥まで突っ込んだことをお話しながら、お勧めのゲームミュージックを紹介していこうというページです。

最近のゲームミュージックについて

最近のゲームミュージックは、音源がPCM、またはCD-DAによる演奏が可能になったことにより、テレビや映画のサントラ並の音楽を表現できるようになりました。しかし、意外なことに昔よりもすばらしいゲームミュージックが減ってきています。それは、音源は向上しているのに、肝心の音楽の作り手の腕がついていっていないのです。元々、ゲームミュージックの音楽家というのは、専門的に音楽の勉強をしていない人が多く、信じられないことに楽譜さえ書けないという人も存在します。コンピュータで音楽を書くには、楽譜の書き方は必要ないです。ところが最近は音源の向上に伴い、巷で売られているようなCDのクオリティ、またはそれ以上(ゲームミュージックの場合、サントラ同様、いろいろな場面の曲が必要なので、自分の好きな曲ばかり書くわけにはいかない)の知識や経験が必要です。元々、そんな知識や才能があればゲームミュージックなどやらずに、もっと本格的な音楽家としての仕事をしていたでしょうから(失礼な言い方ですが)、いまになって昔のゲームミュージック作曲家が非常に苦戦しているのでしょう。

古いゲームミュージックについて

古いゲームミュージックはファミコンにら代表されるピコピコという音楽だけではなく、ゲームセンターのゲームやパソコンゲームに秀作が多く存在します。特にFM音源を使った音楽に特徴があります。FM音源についてはその筋のページを探してください。
FM音源の時代のゲームミュージックは、制約との戦いでした。限られた音数、音色の中でいかに独自性を表現し、テクニックをみせるかという戦いです。FM音源は理論的にはどのような音も出すことが可能などといわれていましたが、1音では非常に音に厚みのない薄っぺらい音しかだせません。果たしてどのような厚みのある音楽を作るか、これが最大の課題でした。
しかし、このFM音源は意外と奥が深く、実際の楽器ではとても表現できないような音をだしたり、チープなところを逆に利用した曲を作ったり、手では引けないようなメロディをつけたり(これはFM音源とは関係ないですが)と、FM音源というものを知っているほど感心するようなテクを日本のゲームの音屋さんたちはやっていました。
このページはそのようなテクニックを交えながら批評しています。ただ、ちょっとマニアックで用語がわかりにくいかもしれません。(用語集も作る予定です)


凡例

ゲーム名アーケードゲームパソコンゲームコンシューマーゲーム
CDの発売元定価発売中/廃盤CDコード お薦め度
・・・このマークが多いほどお薦めです。
・・・このマークが多いほど地雷CDです。
マニア向け・・・・・かなりゲームミュージックマニアな方にお薦め。普通の人は入れないかも。


地雷CDとは
地雷CD・・・それは我々リスナーと販売会社の永遠の戦いである。どういうものを地雷CDと呼ぶのか?簡単だ。期待いっぱい胸いっぱいで購入したCDを家でプレーヤーにかけた瞬間、凍りついたCDだ! 我々はなんとかこの地雷を避けて通ろうとするのだが、何度も何度も踏んでしまう。そう、地雷CDに関する情報が少なすぎるのだ! そこで本ホームページは地雷CDをきちんと地雷度とともに認定し、この世から撤去することを目的としている。


●新着

レジェンド オブ ゲームミュージック 〜プレミアムボックス〜/各社協賛
発売元:サイトロン 定価:15540円(税込) 発売中 SCDC-00410〜417 おすすめ度:

05年03月24日に発売された、歴代の有名ゲームミュージックが多数収録されているBOX仕様の商品。CD8枚、DVD1枚の計9枚のディスクが梱包されており、1枚ごとに有名メーカー全盛期の作品が収められている。
ある意味、ずっと我々信者を見捨てなかったサイトロンのゲームミュージック集大成的な作品である。そのせいか、超有名タイトルは意図的に収録からハズされ、非常にマニアックな仕上がりになっている。
収録も数をさばくためか全て1ループで、その理由には「個人で編集できる環境が整ったから」との記載が。確かに手間さえかければ、コンマ単位での編集や2ループフェードアウトは可能であるが…
しかし、闇で出回る自主録音ものを考えると、ここに収められている作品は “実は聞いちゃったよ〜” ぐらいのレベルになってしまう。収められているほとんどの作品が、有志により作品化されているからだ。
だが商品ベースとしての制限を考えると、その落としどころがこの形だったのであろう。今まで各社協賛の、こんな枚数でのベスト版はなかったのであるから…なにはともあれ、資料的価値は高い。

CD−1「ナムコ」ディスク。
最近再販されたものからの再編集版で、今回のCDで唯一アレンジが入っている(「ゼビウス」「ギャラガ」「ギャプラス」「ドルアーガの塔」など)。

CD−2「コナミ」ディスク。
これも再販されたものの再編集が主であるが、近年のコナミレーベルお宝CD集とは違い、「ツインビー」全曲(ヴァージョン違いまで)が効果音無しで収録されているのはさすがである。

CD−3「カプコン」ディスク。
これも再編集版。こう言うと申し訳ないのだが、このCD集の中ではその存在が比較的軽めに感じられる。

CD−4「セガ」ディスク。
既存CDの再編集と一部新録。あえて有名タイトルである「ファンタジーゾーン」「アフターバーナー」などはハズされた。 過去に発売されたCDとは違い「ゲイングランド」のク
レジット音や「クラックダウン」のデモ音が新しく入っている。当時はそうでもなかったが、今聞くと非常にいぶし銀な感じのする「サンダーブレード」や、ノリのいい「ターボアウトラン」などもある。

CD−5「タイトー」ディスク。
初収録となる「タイムギャル」「アウターゾーン」、そしてダライアス宇宙洞窟面BGMの「メタルソルジャーアイザックU」が。このCDあたりから、だんだんと本領が発揮されてくる。

CD−6「データイースト/アイレム/SNK」ディスク。
デコの「ダーウィン4078」「トリオ・ザ・パンチ」だけでも非常に価値が高い。4078は長年にわたり効果音無しでの録音はされていなかった。後者などはゲームとして奇抜すぎてCD化も困難と思われていた。発売からこれだけの時間がたっていることを考えると、収録は奇跡に近い。
アイレムにおいては、初期の作品であるが認知度は高い「スパルタンX」「スペランカー(AC版なので一味違う)」、そしてCD入手が困難だった「R−TYPE LEO」を収録。
SNKにおいては初めて「ASO」エリア後半BGMが1ループ収録された。これを聞くには、基盤のサウンドテストモードのタイマーを強制的にストップさせるぐらいしか方法がない。「怒号層圏」は未使用曲とボイス集がある。

CD−7「ジャレコ/UPL」ディスク。
「アーガス」「バルトリック」の未使用曲がある。そして、かねてから雑誌などでBGMの評価が高かった “泣ける” 「サイキック5」が初収録。これに感動した輩も多かったと思われる。
UPLでは「忍者くん 〜魔城の冒険〜」が初収録となる。FC版では低音部がバッサリ削られていたため「本当はこうだったのか」と新たなる発見が。「忍者くん 〜阿修羅の章〜」は再編集版であるが、物悲しい雰囲気はゲームにとても良く合っていたと思う。

CD−8「コナミMSXシューティング 」ディスク。
今回の最大の目玉と言ってもいいだろう。いままでファンの再販要求に全然応えてくれなかったコナミであるが、それをサイトロンがついに実現させた。SCC至宝の名曲「グラディウス2」が、未使用曲も含め完全収録され、そしてスナッチャーSCCカートリッジがなければ聞けない「グラディウスSCCヴァージョン」が!これに狂喜乱舞しない者がいようか(いるって)!

最後のDVDには達人プレイヤーによる「グラディウス」「SDI」「魔界村」「R−TYPE」究極のプレイが収録されている。 映像はもう、凄まじいの一言。 “やりこめばここまでで
きる” という事実をみごとに証明している。
これを見て「ああ、自分にはこんなことはできない…」と悲嘆にくれてしまう一面もあるかもしれない。だがたとえゲームとはいえ、人間にはまだまだ可能性があるのだということを、改めて認識させてくれはしないだろうか?TVゲームにうつつを抜かす輩は…と揶揄され落ち込む者にとって、一筋の光明、希望にならないだろうか?

各ディスクについてざっと書き連ねたが、それでも問題点がないワケでもない。
以前発売されたCDと同じ間違いを表記している曲とか、ゲームオーバーの曲が入ってないとか…さらに言うなら「どうして〜(の部分)が入っていないんだ!」と怒りを覚える作品もある。
私はそれらを、最初から完璧なものを作ろうとしたのではなく、ワザとアラを残したのだと考えている。そう、次回作への布石として…(本当に間違えたり、諸般の事情でこうなったのかもしれないが)ぜひともそうなって欲しいものだ。
とにかく、それらの諸問題をさしおいて、これだけの物量を現代において、ここまで収録したサイトロンの力量は非常に高く評価できる。

いずれ…ゲームミュージックなどというマニアックすぎる分野でのCD発売は、遅かれ早かれ消えゆく運命にあるだろう。
そんな特殊な音楽に少しでも心動かされた人は、最後の最後にゲームミュージックに貢献するという意味で、そして歴史を保存する資料的価値の意味で、本作品を購入してみてはいかがだろうか(ちょっと高いから、お金に余裕があったら…)。


Writer:ズオウ・リアキ



DARIUS PREMIUM BOX -REBIRTH- (限定盤)
発売元:ズンタタレコード 定価:12800円(税込) 限定商品により完売 ZTMD-0001〜0005 おすすめ度:

05年05月25日にズンタタレコードから発売されたBOX仕様CD。
歴代AC版ダライアス4作品(ダライアス、ダライアスU、ダライアス外伝、Gダライアス)を収録したCD4枚、スペシャル映像DVDが1枚の計5枚(+特典)が入っている。
値段も値段なので、さすがに何らかの付加価値を持たせようと、インタビューやライヴ、ダライアス外伝プレイ映像などが入ったDVDや、 “巻物” 状になった3画面用紙が引き出せるボールペンなどが付属している。初代ダライスのCDは、かつてGMOレーベルから発売されたLPジャケットをミニチュア化したものに入っている。
全4作品とも過去にCDとして発売されているが、廃盤になったものがほとんどで、それらを最新環境で全て録り直している。
初代とUは、ループやフェードインの編集が見直され、いままでツブれていた音や旋律などがはっきりと収録されており、とても新鮮味があった。
しかし、ダラ外とGは比較的近年にCD化されているので、あまり変わっているようには感じられなかった。HP上の製作日誌を読んだ限りでは、非常に気を使って収録し直したようであるが…おそらく、私の耳が経年劣化で衰えたということなのだろう。
DVDは…賛否両論あるだろうが、作曲者ORG氏自身のインタビューが収録されていることで、初めて具体的に作り手側の生の感情や苦労のようなものが感じられた。さすがにそれらは雑誌等での記事では味わえないものだ。
また、ちょっとしか入っていないが、今ではもう2度と行われないであろうゲームミュージックライヴの映像は「かつてこんなことがあったんだなぁ」という郷愁に似たものを抱かせてくれる。

昨今、純粋にゲームミュージックCDの発売タイトルはどんどん少なくなってきている。確実に “売れる” と判断されなければCD化はされない傾向にある。そういった時期に、このような資料的価値の高い作品が出ることはとても意義があると思う。

限定生産品ですでに完売してしまったのが残念だが、ファンならなおのこと、なんとかして手に入れたい作品だ。


Writer:ズオウ・リアキ




●タイトー系

ゲームミュージック最高の音楽チーム「ズンタタ」を要するタイトー。OGR氏、Yack氏、Mar氏など数々の有名コンポーザーを生み出しました。曲調は全体的に渋め。

GRID SEEKER
発売元:ポニーキャニオン 定価:1500円 廃盤 PCCB-00131 おすすめ度:

優しく美しく、透明感があるメロディ。F3基板のENSONIQの音を見事に使いこなした傑作です。ともかく一度聴け〜。っつー感じですか。作曲者は中山上等兵氏で、「アラビアンマジック」の頃からかなり進歩してENSONIQを使いこなしています(アラビアンマジックの頃は一体なんだったんだと思ってしまうぞ。才能が開花したのか?本当に同一人物なのか)。お薦めはトラック3,5,7。特にトラック3のメロディは何回聴いても飽きのこない、人間の副交感神経に刺激を与えるメロディなんでしょう。ピアノで同じメロディをもう一度奏でるところなんかシビレちゃいますよ。変則的なドラムスとベースも実にメロディと交じり合い、完全な融合を果たしています。トラック7の曲は聴いた瞬間、「これってシューティングゲームの曲なの〜?」と唸ります。もう中山さんがシューティングであることを忘れて自分の世界に入ってしまったんでしょう。
1993年あたりはPCM音源をメインにした楽曲が多かったけれど、タイトーの基板(特にF3,FX)はENSONIQを積んでいて、秀作をたくさん生み出しました。F3に関しては他にも山のように名作ぞろいなので、他にも紹介していきます。ちなみにグリッドシーカーはめちゃクソゲーです。けっしてゲームのことを口にしてはいけません。
現在発売されている「GRID SEEKER」というCDはよーくジャケットを見ると「アレンジ」と書いてあります。私は怖くて購入していませんが、地雷の可能性が大!誰か買ってみて〜。

Writer:NAGASE



アラビアンマジック(舞姫)
発売元:TAITO 定価:2550円 発売中 ZTTL-0030 おすすめ度:

CDのジャケットに「舞姫」なんて書いていますけど、「アラビアンマジック」というタイトーのゲームのサントラです。なんで「舞姫」なんだよ〜。「アラビアンマジック」の曲がへなちょこだったから、タイトル変えて騙して売っているんじゃないだろうな〜、タイトーさん。現に一人筆者の周りで騙されたヤツがいるぞ・・。
この曲の作曲者さんが「GRID SEEKER」「ライトブリンガー」の中山上等兵さん。彼がちょっと有名になってから、このCDが彼の「不遇の時代」として発売されたわけです。彼はこれ以前に「ダイナマイトリーグ」、「おにっぴ」(何それ?)、「スペースガン」と曲を担当していたらしいのですが、全然記憶なし! このアラビアンマジックもF3基板の初期の作品で、ENSONIQの音源の良さでなんとか首の皮一枚繋がっている感じ。これが本当に中山さん?ニセモノ〜。絶対にニセモノだ。ニセモノじゃなかったら、影武者だ(しかしわざわざ下手な影武者作るか)。
ただ、一部に後の「ライトブリンガー」へ繋がるような伏線は見え隠れする曲はあるのです。おそらく、F3基板もまだ初期だったので、ENSONIQの音源を使いこなす域にまでまだ達していなかったのではないでしょうか? でもトラック5とトラック9とトラック19くらいしか聴ける曲ないっつーのも悲しい。全体的には中東的なエスニックサウンドを目指しているんですけど、聴いていて惹かれるものがない・・。単調だし、なんかどっかで使われてなかったか?このメロディ?とかそんなの多数。ゲームもクソだったが、曲もこれなので盛り下がりまくり。まぁ上等兵さんのファンになら、ちょっとお薦め。

Writer:NAGASE



ライトブリンガー
発売元:ポニーキャニオン 定価:2000円 廃盤 PCCB-00154 おすすめ度:

またまた中山上等兵氏の楽曲。別に中山さん命!って訳じゃないのですけど、なぜか並んでしまいました。この「ライトブリンガー」はおそらく「アラビアンマジック」でやりたかったオーケストラをやっと思い通りに出来た作品なのではないかと思います。ゲームが中世の物語ということで、音楽もオーケストラがピッタリとはまっています。メロディはクラシックをベースとしていながら、あまり冗長な部分がなく、サビに向かって一気に加速していくという曲調になっています。「アラビアンマジック」でみせたようなマンネリ感はなくなり、日本人好みの美しいメロディラインへと変身しています。ただ、クラシックを意識しすぎたのか、ゲームミュージックとして見ると、音量の差が非常に激しく、静かな部分は静かすぎ、うるさい部分はうるさ過ぎるという感があるのがちょっと残念。トラック12の曲はボスの曲だが、緊迫感をストリングスで見事に表現した名曲でしょう。CDの所々に入っている外人のナレーションがうるさすぎで減点ポイント。ちなみにこのゲーム、私は昔1コインでクリアできるほどやりこんだ経験があります。

Writer:NAGASE



Gダライアス
発売元:TAITO 定価:2550円 発売中 ZTTL-0014 おすすめ度:

正直言って、この曲は評価が難しい。一歩間違えると地雷CDとなる要素も多分に含んでいる。まず感じることは、鑑賞に堪えうるほどメロディアスで心地よい曲がほとんどないということだ。「ダライアス」の音楽ならば、それなりにメロディアスな曲を期待するのだが、「Gダライアス」に関してはいままでの「ダライアス」の音楽の伝統を拭い去った方がよいだろう。「ダライアス」の曲達が見せていた情緒のあるやさしいメロディが消えた。メロディを楽しむのではなく、「音」を楽しむ曲になった。どこからサンプリングしたのかわからないようなドラム、さまざまな異質な機械音、奇妙なボイス、こうなるとどこかのハウスミュージックとやっていることは同じではないだろうか?
私が作者のOGRさんに期待していたダライアスはこんな音楽ではなかった。ENSONIQとPCMを存分に使いこなすのはよいが、もはや既存のダライアスの方向とはベクトルが違う。単なるOGR氏の新しい曲への模索と自己満足が爆発してしまったのか、これがダライアスであることを忘れてしまったのか。そしてそれはゲーム内容にも如実に現れている。ちなみにCDの盤面に「実験報告」と書かれているが、このCDがOGRさんの新たな曲作りの実験報告なんじゃないのか?と勘ぐりたくなるぞ。
唯一救いのある音楽は、トラック12の「KIMERAII」という曲。OGRさんらしい曲が1つでもあってホッと安心する。

Writer:NAGASE



ダライアス外伝
発売元:ポニーキャニオン 定価:円 廃盤? PCCB-00166 お薦め度:

非常に残念なことだが、私はこのCD以来6年間も感動したゲームミュージックに出会っていない。F3基板のENSONIQ音源と、それまでのダライアスの音楽が合体した結果生み出された最高傑作だろう。とりあえずはトラック2の「VISIONNERZ」を聴いて欲しい(トラック1は腐ったアレンジなので飛ばすように)。それまでF3基板では曲に効果的に使用されることのなかったPCMをふんだんに使用しているのに気がつくでしょう。いきなり女性のボイス、プログレがかった進行、そして「Close your eyes, Close your head」という女性のオペラに度肝を抜かれるでしょう。そのあとも非常に甘美でメロディックなストリングスパートが奏でられます。そして曲中盤から登場する、心臓が飛び出るような勢いのあるブラス。そして曲は一気にクラマックスに突入し、プログレスタイルへと変身してオペラの嵐となって終了します。これって本当にゲームミュージックなのか? なにかこの曲はその域を越えた感じもしますし、ゲームミュージックであるがこそ生まれたニュータイプの曲とも感じ取れます。
実はゲームをプレーすると分かるのですが、このトラック2の曲は、1面と2面にまたがって演奏されます。それだけの長さを持つこの曲は、ダライアス外伝の世界を決定付けてしまうような音楽でした。
すばらしいのは、この曲だけありません。トラック3、トラック8、トラック9、トラック11も名曲です。トラック9はダライアスお得意の中華風の曲。
作曲者のOGRさんも完全に世界に入りこんでしまったのか、ライナーノーツに解説どころか全く意味不明な哲学のようなものを語られています(制作担当が勝手にやったんだろうが)。ライナーノーツってやっぱり作曲者のウンチクが聞きたいわけで・・・ちょっとやりすぎな感じ。

Writer:NAGASE



プリルラ
発売元:ポニーキャニオン 定価:円 廃盤 PCCB-00091 お薦め度:

タイトーのF2基板での名曲といえば、「メタルブラック」、「ガンフロンティア」、「ルナーク」などが挙げられるが、この「プリルラ」も名曲の中に入るだろう。他のゲームとは全く別系統の音楽であるが、コミカルでメルヘンチックな音楽はF2基板ゲームの中でも異色な存在である。
そもそも「プリルラ」は日本国内ではほとんど出荷されていない。にもかかわらず、プレイステーションやFM-TOWNSに移植されたという奇特なゲームだ。独特のゲーム観に根強いファンが多かったということだろう。
作曲者はKaru氏とYack氏だが、Karu氏は後の「逆鱗弾」などでやはりすこしアナクロかかった音楽を制作しており、このようなタイプの曲を得意とするのだろう。非常にメルヘンチックなメロディは聴く者に安堵を与える。また、テーマ曲も非常に親しみやすく覚えやすいフレーズで、このフレーズをボス戦などの至る所に使用しているのは効果的である。またいくつかの曲では前半からは想像がつかないようなダイナミックな進行をもつ曲がある。また、FM音源のアナログシンセのようなオルガンの音は非常に印象的で、音楽全体の肝になっている。またオルガン同様、太い独特のベースやシンセベルなどはFM音源の特徴を存分にいかしている。、名作「サイバリオン」からの音色の流用も目立つ気がする。1面(ザックとメルの街)、2面(結晶体の山)、4面(砂漠)は名曲と勝手に断定!ゲームの世界観とぴったりとマッチしたこの音楽で、ゲームをプレーしながらでも是非聞いていただきたい。

Writer:NAGASE



ナイトストライカー
発売元:ポニーキャニオン 定価:1500円 廃盤 PCCB-00140 お薦め度:

死ぬ前に一度聴け!と私は言いたい。
個人的にゲーム内容も音楽も超名作と思っているゲーム。音楽は至って渋く、硬派である。夜の街を謎の組織と戦いながら駆け抜ける、男のロマンが詰まったゲームだ。これぞ、タイトーの真髄!! そしてこれほど感銘を与えている音楽もなかなかないだろう。
音楽は先にも書いたが硬派中の硬派。これほど「渋くてカッコイイ」という言葉が似合うゲームミュージックはない。「URBAN TRAIL」「TRANCE PARLENT IN BLUE(郊外)」「AQUARIUS(海上)」の曲では、とても音色がセンチメンタルで、それでいて力強いリズム。期待を裏切らないサビの盛りあがりを見せる。バッキングのPCMコーラスも地味ながらよくマッチしてている。また「BRAIN WORKER(工場)」「ma-gu-ri-vu(寺院)」の曲はフレーズに緩急をつけながら、曲終盤に一気にサビに持っていく。この盛り上げ方は震えがくるほどだ。一度聴くと頭から離れないような見事な印象を残す曲だ。特に「シ・メール」の曲は、それまでのゲームミュージックとは全く異質な東洋の妖しさをPCMコーラスとブラスで表現している名作だ。
音源の構成としては、主にFM4音+PCM4音となっている。音数としては意外と少ないのがとても興味深い。FM音源は、独特の粘りのあるベース、メインメロディ、シンセベル系の音、ギター、PCM音源はドラムス、コーラス、ブラスヒット、ピアノ(一部のピアノはFM)が担当している。FM音源の良さとPCM音源の良さがバランスよく組み合ったこの楽曲は見事というほかない。

Writer:NAGASE



サイバリオン
発売元:ポニーキャニオン 定価:2627円 廃盤 D28B0014 おすすめ度:マニア向け

この曲はすごい。誰かに「FM音源使った音楽ってどんなの?」と尋ねられたら、ちょっと極端ではあるが、この「サイバリオン」を推薦したい。宇宙人がいたら彼らにも無理やり聴かせてやりたい。驚異のズンタタサウンド(TAITOの音楽チームの名前)を見せ付けてくれる硬派な1枚です。
「サイバリオン」がたったFM4音+PCM2音で構成されていると知ったときはショックでした。絶対的な音数の少なさでここまで重厚な音楽を聴かせてくれるのは、「サイバリオン」とX68K版の「パロディウス」くらいしか記憶にありません(ただ、ドラムスのチョイスがうまいという話もある)。FM音源でしか出せない独特のシンセギター、コーラス、シンセベルはすごいの一言。ディレイのかけ方も絶妙。どうしてこんな音が生まれたのか、どうやって2音重ねるとこういう音が発生できることを計算したのか、ともかく舌を巻きます。ズンタタはこういう独特の音が多く、最もFM音源を使いこなしていたチームの一つでしょう。たったFM4音で音楽を構成するというのは、とてつもない制約だったでしょうし、その制約があったからこそ生まれた産物なのでしょう。
サイバリオンのゲームの世界はメタリックな近未来の世界。音楽によって異次元の世界へと引き込まれます。CDはトラック15から聴いてください。その前のアレンジは耳障りなので聴かないでください。Main Theme、Universe、-so easy、Ja Frawあたりがお薦め。でも、CDはちょっとエフェクトがかかっているので、できれば基板直がお薦め!
この音楽のルーツはどこから来たのでしょうか。ロックでもジャズでもない。テクノなのか? どれにも当てはまらない全く新しいサウンドを生み出したといえるのではないでしょうか。

Writer:NAGASE



ヌーベルヴァーグ(ギャラクティックストームとウォリアーブレード)
発売元:ポニーキャニオン 定価:円 廃盤 PCCB-00086 おすすめ度:

ヌーベルヴァーグといっても「なんだこりゃ」という感じだが、タイトーの大型筐体物のカップリングCDである。「ギャラクティックストーム」という3Dのシューティングゲームと、横スクロールアクションの「ウォリアーブレード」(ラスタンサーガIIの続編でサブタイトルは「ラスタンサーガIII」)がその内容である。どちらの曲もお薦めである。
まずは「ギャラクティックストーム」から。たしかこのゲームはタイトーが初めてENSONIQのチップを使ったゲームだった記憶がある(違うかもしれない)。基板は後のF3システムのプロトタイプのようなものであった。なので、当時としてはシステムII以上に音質的には抜きん出ていたと思う。
作曲者はOGR氏。このCDはディスク2枚組からなり、最初の1枚はアレンジCDだが、特に聴く必要はないだろう。2枚目のオリジナルバージョンの曲でお腹が十分膨れるからだ。曲調としてはOGR氏お得意の幻想的でかつ、妖しい雰囲気が漂う感じ。ダライアス系といえるが、もっとアクは強くてかなりヒロイックに偏っている。トラック2,3,5,6,7がお薦め。最もお薦めの曲はトラック3で、後半のサビと不可思議なメロディはOGRさんの世界が爆発している。ただ、この曲はゲームで鳴っているのを聴いたことがない。ボーナスステージか何かなのだろうか? また、曲のタイトルが凄くて「電脳皇帝」とか「洗脳」とか、音楽もそうだが完全にあっちの世界にいっちゃってる感じ。個人的にはかなり好みなのだが、人によって真っ二つに好き嫌いは分かれるかもしれない。
一方の「ウォリアーブレード」だが、お薦めの曲はたった1つしかない(でもこの曲だけで十分である)。トラック14の曲(たしか1面の曲)。野性味溢れる曲調はゲームの世界観とぴったりで、豪快な出だしで始まり、どこまで突っ切るのかと思えば、後半はちょっとせつないメロディになったりする。聴いていて実に飽きない曲だ(100回くらい聴くとさすがに飽きるけど)。この曲を聴けば、このゲームが「ラスタン」の音楽観を引き継いだ続編だということが分かるだろう。

Writer:NAGASE



レイフォース
発売元:ポニーキャニオン 定価:円 発売中 PCCB-00153 お薦め度:CD版は/

もしCDに収録されている曲がニセモノの曲だとしたらどうしますか? そりゃ怒りますよね。タイトーのレイフォースのCD。いや、正確にはこれはサターン版「レイフォース」のCDです。そう、このCDは本物の「レイフォース」の曲が収録されていません。サターン版のものなんです。
つまり基板に収録されている曲が入っているCDというのは存在しません。存在するとしたら、基板から取った自主制作のCDだけでしょう(もちろん私は基板から直取りしてます)。
肝心の曲ですけど、CD版ははっきりいって全然ダメ!!。テクノであるのは変わりませんが、音色にかなりの変更が見られます。まず全体的に薄っぺらい音になり、基板にあった重厚さが消えて軽いノリになりました。あの「ズンズンズン」(ずんずん教の野望とは関係なし)というノリがなくなっています。なーんで、こんなに魅力ない音色にしちゃうんだろ。作者のKAWAMOTOさんが錯乱状態にあったとしか思えん。もしくは変なアレンジャーに当たってしまったとか。ともかく基板版を一度聴くことをお薦めします。
で、基板版の曲を書きますけど、非常に美しい旋律、音をもったテクノです。ベースとバスドラムだけがうるさい感じのテクノですが、疎かになりがちな主旋律を実に大切にした作りには好感が持てます。それは情緒深いというよりは、洗練された美しさを感じます。後半面に行くほどヒロイックなメロディになっていくのも特徴ですかね。お薦めは2面の曲「G〜雪のように降りしきる彼女の為に〜」、4面の曲「CRACLING!」あたりです。

Writer:NAGASE



NAGASEさんが言うところのサターン版のCDを先に聴いた後で基盤版を聴いちゃった立場から感想を書かせていただきます。 CD版は全然ダメ、なんてコキおろされてますが、私は「んなこたぁない」と思ってます。「全体的に薄っぺらい音になり、基板にあった重厚さが消えて軽いノリ…」という部分ですが、両方を聴いた後だと、逆に「本来は基盤版をサターン版のようにしたかった」のではないかと思えました。基盤版にプロトタイプ的な荒々しさがあったとすれば、サターン版はリテイクのチャンスに恵まれたコンポーザーが、嬉々としてプロトタイプのブラッシュアップに取り組んだ、と言ったところでしょうか。「薄っぺらい音」ととらえられてしまった部分は、「これくらいにスマートにしたかったなー」という事なのかなーと思いました。 ところで、ステージ1の曲構成に変更が見られます。基盤版はイントロ→Aメロ→Bメロ→Aメロ→Bメロ→…のループですが、CD版はイントロ→Aメロ→Bメロ→Aメロ→イントロ→Aメロ…となっています。どちらがいいかとなると聴く人の好みの別れるところかと思いますが、こういう部分は「作曲者は当初気づかなかったけど後で修正したくなっちゃった部分」なんでしょう(笑)。 曲そのものに関してはNAGASEさんが書かれていることと大体同じ感想を持っていますので、もしこの2種類の「レイフォース」を聴き分けるとすれば、ライブ的なノリを求める方は基盤版、ヘッドホンでじっくり聴きたい方はCD版を、ということでいかがでしょうか。

Writer:KZR


レイクライシス
発売元:タイトー 定価:2550円 廃盤? ZTTL-0034 おすすめ度:

タイトーの「レイ」シリーズの最終作。ライナーノーツを見る限り、「レイフォース」、「レイストーム」とすばしらい曲を提供し続けてくれたKAWAMOTOさんの渾身の一作のようだ。
さて、ここから苦言を述べさせていただく。ライナーノーツに「これで私のRAYが完全に終わった」と、レイシリーズのすべての集大成をここに集めたようなことを書かれているのだが、私にとっては実に納得できない楽曲となった。元々、「レイ」シリーズは基本はテクノでありながら、その上に覆いかぶさるメロディは実にメロディアスで聴くものを魅了した。そのため、テクノ嫌いな私も素直に入り込めた。しかし、「レイクライシス」になって残念ながら"単なる"テクノになり下がってしまった感が強い。KAWAMOTOさんのネタ切れなのか良く分からないが、メロディや曲構成があまりよくない。同じメロディをだらだらと繋げた冗長なものなったと言えば分かりやすいだろう。「レイフォース」で聴かせてくれた、あのメロディックな曲はどこに行ってしまったのだろうか。
「レイクライシス」の1曲は驚くことに10分程ある。アーケードゲームミュージックにおいて、ましてはシューティングにおいてこんな長い曲は他ではないだろう。どうしてこんなに長いのか不思議だったのだが、プレイステーション版をプレーして謎が解けた。1面の選択によって曲が4種類に分かれ、しかもその曲がずっと4面までずっと流れ続けるという内容だったのだ。つまり4面分を1つの曲でカバーしているという一風変わった構成だ。プレイステーション版では、途中でCDの読み込みが入るため、曲がバリバリ切れてしまうのだが、アーケード版はつながるのかもしれない(アーケード版をプレーしたことがないので分からない)。
4面まで1つの曲で通すというのは、シューティングでなにか1つのテーマを訴えるための新しいアイデアだったかもしれないが、さすがに10分も同じようなリズムのテクノを聞かされると飽きる。苦言を呈してばかりで申し訳ないが、期待していた分だけ残念だった。ただ、トラック4と5の曲は「レイ」節がちょっと残っていて、聴き応えはあるので買う価値はあるかも。

Writer:NAGASE



レイクライシス レイヨン・ドゥ・レール
ビクター 定価:2550円 廃盤 ZTTL-0041 おすすめ度:

これはゲームも音楽も「…暗い…暗い…(プツッ!)」「聞いたかぁ〜天帝様は暗いのがお嫌いだぁ〜〜〜!!!」なタイトー3Dシューティングゲーム「レイクライシス」のフルオレンジアルバム だっ!(アレンジアルバム…)
1曲目からおフランス語なヴォーカルアレンジで、仏国には行ったことないけど、たぶん仏の曲はこんな感じだろうねっ。きっと仏像だらけなんだろうなぁ。オリジナルよりもますます仏国の雰囲気が濃くなった気がするよ。
でも安心するのはまだ早い。アレンジだから、人の手によるアナログ感があるのだろうけど、笛とか鐘とか太鼓とかアフリカンチャイルドの声?を使っていて、民族音楽みたいだよ。映画「アキラ」をテンポ遅くして、メロディー付けたみたいだ。
いいねえタイコさん!
ノリスケさんは?おーい!フグタくん(C.V若本規夫)。
でも全体的な不安感は相変わらずだ。ちょっと奇妙さが増したけど、しっとりさもあるよ。ギターの音はいいねえ…
う〜ん、石畳みをヒールでカッコッと歩くパリジェンヌが見えてくるよ…お、道祖神に手を合わせているぞ。
きっと信心深いカトリックなんだねっ。だけどよくよく話を聞いてみるといきなり「信じん!」とか叫ぶから、気をつけないといけないぞ。そんなときは「帰れソレントへ〜」と口ずさめば「フラメンコはスペインよ。バトルフランスは間違えてるわ!」って答えてくれるさ!
なんてこと考えてると賛美歌だっ!汚れた心が清められていくのがわかるよ…ああっ!護摩壇の炎が竜神さまになったぞ!さすが仏国だ。人の声って力あるね。音楽だけだとパワー出ないときがあるけど、いいメロディーに歌があると感動するよねっ!言霊信仰ここにあり、だねっ!
だけど最後の方はピアノの切ない調べで大人の雰囲気を醸し出す。その人の年齢にあった音があるっていうけど、年をとるとこういうアコースティックなヤツがだんだんよくなるのかもね。だからジャズやクラッシックが聴きたくなるのかな?
よーし!数珠もってジャズでも聴こうかな?
あれー頭がクラクラするよー病気かな?
いわゆるクラッシックてヤツだねっ!
こうして聴いてみるといろんなタイプの曲があるなあ・・・ゲームミュージックがもともとゴッた煮込なんだけど、このCDのもとがゲームミュージックとか言ったらみんな驚くよー。もう映画音楽に近いかも。日本人はけっこうインストゥルメンタルがうまいって友達が言ってたけど、そんな実感を覚える一枚かな。
雨の日曜日にボーッと外見ながら聞くと、以外と合うかもよ?

Writer:ズオウ・リアキ



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ラスタンサーガII(タイトーDJステーションに収録)
発売元:ポニー 定価:円 廃盤 PCCB-00037 おすすめ度:

あまりメジャーではないですが、「ダライアス」などでおなじみのOGRさんの曲です。いかにもOGRさんといった曲がのっけから始まります。曲調、テーマとしては前回レビューした「ウォリアーブレード」(続編だから似ているに決まっているんですけど)、または「ダライアス外伝」の1面の曲に近い感じといえばわかりやすいでしょうか。メインテーマは、エスニックな感じで始まりますが、途中から妙にセンチメンタルになったり、かと思えばオケヒの嵐から女性のボイスが響き渡ったりと聞いていて飽きません。また、2ループ目は曲の出だしは同じですが、中盤のピアノの旋律が非常に美しいので是非堪能して欲しいです。
しかし、私はOGRさんの曲ばっかり誉めていると言われてしまうのですが、OGRさんの曲がどれも好みなのでしかたがないと思ってください(^^;。ちなみにベースやブラス系の音はFM音源、出だしのアコーディオンのような音、オーケストラヒット、中盤のピアノはすべてPCMです。
ちなみにTAITO-6-というCDにもライタンサーガIIの曲は収録されているようです。TAITO DJステーションですと、その他に「エアーインフェルノ」、「ニュージーランドストーリー」、「オペレーションサンダーボルト」、「レイメイズ」、「功里金団」などが楽しめます。

Writer:NAGASE



ルナーク(RUNARK)
発売元:ポニーキャニオン 定価:1500円 廃盤 PCCB-00060 おすすめ度:

タイトーF2基板の名曲の1つ。タイトーF2基板は以前から何回かレビューさせてもらっているが、「メタルブラック」「ガンフロンティア」「プリルラ」と、今回の「ルナーク」は絶対に聞き逃せないゲームミュージックでしょう。
ゲームはファイナルファイト形式のスクロールアクションゲーム。動物達を密輸する悪の組織と戦う熱く、哀愁が漂う漢たちの物語!!(いやまじで) 内容も熱い(っぽい)が曲はもっと熱い(あ、ちなみにゲームはちょっとクソです)。テーマ曲のRune&Ark(トラック4)をまず初めに是非聞いて欲しい。タイトーらしいメロディックな曲構成、Yack.氏のセンスが非常に感じられます。メインメロディに使われているフルートのようなセンチメンタルなFM独特の音色は高揚感があり、非常に印象的。PSGと控えめなドラムス、そして注目なのは多種に渡るパーカッション。この打楽器の連打は地味ながら始原的ともいえる興奮を呼ぶ。聞いているといろいろなことが発見できる曲。人の琴線に触れるというか、ともかく聞いていてβ派が発生しそうですね。トラック6のSuccess〜Fade inという曲もかなりいいです! 是非聞いてみてください。

Writer:NAGASE



ガンフロンティア
発売元:ポニーキャニオン 定価:1500円 廃盤 PCCB-00060 おすすめ度:

これまたタイトーF2基板の名曲の1つ。この曲を知らなければ、タイトーF2マニアとしてはモグリともいえる代表曲。
ゲームは縦スクロールシューティングゲーム。すべての機体が銃の形をしているというちょっと変わった内容。アメリカの西部開拓時代を背景としてシューティングで、曲もこれまた哀愁が漂うものが多い。タイトーのシューティングゲーム全体に言えることだが、グラディウスのようなシューティングゲームのカッコイイ音楽とは全く対照的で、曲でなにかを主張しようとする意思があるようにさえ感じられる。まず、お薦めは3面の「KARAMETE」。ゲーム内ではちょっと異質なカッコイイ系の曲。でも、最後にはなにかちょっとせつない感じになるのがタイトーらしい。続いて4面の「荒野へ」。これはすごいね。まじでこれがシューティングの曲なのかと唸りますよ。マカロニウエスタン+喜多郎の曲みたい。ハーモニカのようなメロディ音の練りは一級品。そして7面の「ユンファオ」。ゲームミュージックらしいといえば、らしい曲。しかし、Yack.氏のメロディランティング力には本当に舌を巻きます。十分におなか一杯になること間違いなしです。

Writer:NAGASE



逆鱗弾
発売元:ポニーキャニオン 定価:2000円 廃盤 PCCB-00196 おすすめ度:

タイトーF3のENSONIQの力を遺憾なく発揮した名曲。ゲームはマイナーだが、曲のためにゲームが存在しているといってもいいくらい曲がよい。作曲者はKARU氏で、前回のプリルラの時と同様、ちょっとアナクロかかった曲群で、人の琴線に触れるようなテンポがよく、気持ちいいメロディが特徴である。とりわけ、「COIN」〜1面の「PURE SPIRIT」、そして2面の「回帰」は、どこかさびしげなメロディラインが魅力で、このようなストリングを主体とした美しい音楽を書かせると、彼はタイトーの中でも随一かもしれない。流麗、ということばがこれほどぴったりくる曲調もあまり他では見受けられない。そして3面ではいきなりユーロビート調の曲に変身。悪くはないが、今ひとつノリ切れていない気もする。4面は1面のオマージュで、テクノ調になっている。いまCDを聞きながらこのレビューを書いているのだが、KARU氏は実はかなり器用なコンポーザーなのだなという風に感じてきた。どのタイプの曲をとっても質がそれほど落ちないからだ。まぁ誉めていてばかりいるのも何なので、ちょっと一言付け加えると、全体的にアナクロかかりすぎで貧乏くさくなってしまっているような気もする。だが、個人的には大好きな部類の曲。お薦めしたい。

Writer:NAGASE



ファイターズインパクト
発売元:タイトー 定価:2500円 廃盤? ZTTL-0003 お薦め度:

タイトー初期のポリゴン格闘ゲーム。バーチャファイター2が流行して、タイトーも便乗するようにポリゴン格闘ゲームを発売したわけですが、それがこのゲームです。基板はF3の後継であるFX基板で、他に「レイストーム」、「サイキックフォース」、「Gダライアス」などがあります。音源はF3と同様にENSONIQのチップを使っており、音は相変わらずとてもよいです。このゲーム、私は基板を購入してプレーしていました。誤解のないように言っておきますが(^^;;、別にファイターズインパクトがやりたくて購入したわけではなくて、レイストームを購入したときに、たまたまこのゲームが安かったので一緒に買っただけです(別に一生懸命言い訳する必要もないんですけどね)。しかし、このゲームはひどかった・・・。プレーしたことのある人がどれくらいいるのか知りませんが、たぶんプレーして10秒で「ど、どうしたらいいんだ・・」と頭を抱え込むでしょう。「これは見てはいけないものを見てしまったのでは」状態にもなるかもしれないですね。ちなみにPS版も出ているので、興味のある人はそちらを購入してプレーしてみてください。いちおう、私は基板を売った後になぜかPS版を購入して持ってます(なんで買っちゃったんだろ・・きっと呪いだ・・)。PSの「ファイティングアイズ」や「修羅の門」に匹敵するかも(分かんない人は気にしないでください)。
ゲームは、コンピュータ対戦と、2人の対戦モードがあります。まぁ対戦している人なんてみたことありませんけどね・・。で、このゲーム、対戦モードとコンピュータ戦モードで、曲が全然違います。CDを聞くと分かるんですけど、トラック1からトラック11までは妙に景気のよい曲が収録されていて、トラック13から最後までは「なんだこりゃ」みたいな曲が続くと思います。実は前半は、対戦モードの時の曲、後半はコンピュータ戦の時の曲です。妙にノリがよい曲はすべて対戦のときの曲です。これが何を意味しているのかというと、CDがでるまでこんなノリのいい曲が入っていることは日本全国で誰も気づかなかっただろう・・・ということです(2,3人は対戦していたかもしれないですけどね・・)。実は、私はこのCDを購入したときに、いままでに聞いたことのない曲が最初にバシバシ出てきたので、かなり焦りまして、「一体どこでこんな曲が流れるんだ〜」と10分ほどうろたえていたところ、まさかと思って2P対戦をしたら、いきなりこれらの曲が流れ出したので、そこで初めて気づきました・・。
対戦モードのときの曲は実にバラエティに富んだ曲が多いのが特徴。1曲1曲が独立した音楽として楽しめます。アップテンポで勇壮な曲から(トラック2、8)、ロックバリバリの曲(トラック3)、日野皓正のようなフュージョン曲(トラック5、7、10)、さらに、ねーちゃんボイスバリバリの和風曲(トラック6)まで登場し、ステージに合わせた豪華な曲が流れ、バラエティ豊かです。逆にゲームではちょっと浮いているかな?とも取れますが。本当に普通のフュージョンの曲を聴いているような感覚で聞け、ゲームミュージックっぽくないです。まぁ、これらの曲を聞きながら対戦をすると、曲だけ物凄い盛り上がっている一方、対戦している人間のしらけっぷりは相当なものです
さて、トラック13以降の後半の曲(コンピュータ戦)ですが、たぶんCDだけ聴いた人は一度聞いたら、2度と聞かないでしょう。しかし、前の意見と相反するようなことを言いますが、私のお勧めはこのトラック13以降ですのでヨロシク!!(だんだんヤケクソ気味になってますね・・)。かなり恥ずかしい経歴になるのかもしれませんが、私はこのゲームを1コインクリアできるまでやりこみした(とか偉そうなこと言ってますが、タイミング見計らって、ローキックしていれば勝てるんですけど)。で、各ステージごとに意味不明な演出(いや、演出というのは褒めすぎですね・・)が入ってまして、けっこう音楽とシンクロしています。たとえば、トラック13「宣告」。この曲を何もしらない人が聞いたら、30秒以上「ハァハァ」言っているだけでバカかと、アホかと思って飛ばすでしょう。でも、ちゃんとそのあとに曲が入っています。つまり、だんだん曲が流れてくるというゲーム上の演出なんですね。さらにトラック17「旅路」とトラック19「凶影」。聞いた瞬間に飛ばすような曲ですが、ゲームでは異次元の世界に飛ばされたような摩訶不思議なシーンで使われていて、かなり私は好きです。このCDでトラック13以降の方が好きという人がいたら、コンピュータ対戦モードをかなりやりこんだ人か、よほど変わり者かもしれませんね・・。全体としては、トラック11までは普通のポップスCDとして十分に鑑賞に堪えうる作品だと思うので、安かったらぜひ購入してみてはいかがてしょうか?曲としての完成度はかなり高いと思います。お勧めはトラック6「古都」、トラック10「Away Game」、あと魔のトラック13以降です。

Writer:NAGASE




●ナムコ系

その昔は「ナムコPSG」といって、分厚い音色のPSGを奏でていたが、システムU基板の投入により、「アサルト」以降、FM8音+PCM24音という当時としては化け物のような音源を持った曲が登場し、他のメーカーを大きく引き離した感があった。システムU以降の曲群には目立ったものはないのが残念だ。

ナムコエクスプレスVol.16 アタックオブゾルギア
発売元:ビクター 定価:1500円 発売中 VICL-15035 お薦め度:

「ドラゴンセイバー」などで有名になっためがてんさんの音楽です。そもそも「アタックオプゾルギア」ってどれくらいの人がプレーしたことがあるのでしょうか? これはナムコの「ギャラクシアン3」というゲームの後継で、シアター6という6人でプレーするレーザーディスクシューティングゲームです。都内でたったの5個所ほどしかありませんでしたので(なんでも設置に2000万かかるとか)、あまりプレーされた方はいないでしょう。私は都内にあるゾルギアを全部一人でクリアしに回りました。回った場所は「王子」「二子玉川」「蒲田」「松戸」「渋谷」「相模大野」「相模野」「川崎」・・・うーんいろいろ周りましたなぁ・・当時は。今となってはいい思い出です。
スクリーンに表示されるCGは美しいポリゴンで非常に壮大な世界です。ただ敵機のポリゴンがちょっと情けなくてシステム2を使用していたという話でした。音楽はゲーム中はナレーション以外はほとんど聞こえません。最後に敵ゾルギアを破壊して脱出するシーンだけが印象に残っていました。あとはボスのときにちょっと音楽が聞こえる程度です。
音楽ですが、一言でいって軽い! それがゾルギアの世界観と全くかみ合っていない。このような美しいCGを使った重厚な世界観のゲームならば、もっと音楽も重厚にして欲しかったです。どうしてここまでライトになってしまうのか。
曲としては、懐かしいシンセサイザー(アコースティックオルガン)をメインにした楽曲が前半面で、後半面はハウスミュージックといった感じです。前半ではトラック4の曲(2-A面の曲)が好きです。惑星エクシア上でのゾルギア追撃戦の音楽ですが、町の中を移動する部分は軽快なビートにのって進みます。海上に出るとボルナデというボスに接近し、サビのメロディで一気に盛り上がります。このメロディは好きですね。ハウスミュージックの後半面は、トラック6の曲(3-A面の曲)がまぁまぁ聴けるレベル。しかし結局ドラムスの音が変わっているかなぁというだけなんで、この曲から受ける印象というのは、「音がちょっとおもしろいね」。これだけです。ハウスなんて所詮は自己満足さ!って改めて感じるような内容です。めがてんさんはドラゴンセイバー以来、パッとしたものがあまりないのが残念です。「ドラゴンセイバー」のメロディライティングの能力を考えると、こんな曲に終わらないと思うのですが、そもそも「F/A」あたりでハウスサウンドに走った時点で終わったのかなぁと・・。

Writer:NAGASE



ナムコエクスプレスVol.13 ネビュラスレイ
発売元:ビクター 定価:1500円 廃盤? VICL-15027 お薦め度:

タイトーの「レイフォース」とほぼ同時期に発売されたナムコの縦方向シューティングゲーム。このゲームの特徴はキャラクターが、あらかじめ作成されたテクスチャ付のポリゴンをスプライトで動かしているところ。当時はポリゴンゲームがそれほどメジャーではなかったので、シューティングゲームにポリゴンを使った画面はとても美しく、なんとも異質な感じがしたものです。実際にはレイフォースと比べてゲーム性が圧倒的に劣っており、クソゲーのひとつとなってしまいました。だって、当たり判定はけっこう厳しいし、パワーアップアイテムが血管が切れそうな移動の仕方をするし、敵がとんでもない至近距離から弾を撃ってくるし・・。ただ、私は当時レイフォース以上になぜかこのゲームに魅力を感じ、やりこんでいました。基板は、たしかシステム2の後発であるNA系(NB基板だったかな?)で動作しており、音源的にはPCMオンリーになり、ちょっとパワーダウンしていました。
このゲームの作曲者の人は全然知らんです。ライナーノーツを見るとCharlyさん(福澤さん)と新人の石川さんとなっていますが。他に何を作っているんでしょうか、この人たちは。まぁ作曲者はこのゲームに関してはどうでもいいです・・
さて、曲の方ですが、1面は歯切れのよいストレートなメロディに乗った軽快なロックサウンド、2面は一転して重厚なクラシック、3面は不気味なアレンジをした偏屈なロック、4面はちょっとハウスっぽかったり、けっこう脈絡ない感じです。でも、全体としてはなんとなく古き良き時代のシューティングゲームっぽい音楽。音はFM音源に比べればもちろん生楽器に近いですが、いかにもゲームミュージックらしく、曲によっては冴えないメロディを強調したベースでごまかしていたり、ある意味かなりいい味だしてます(特に5面の2曲、トラック8と9)。昔の曲ってベースの音を強調して、へなちょこなメロディをごまかしている曲が多数あるんですけど、そういうテイストがあります。んで私のお勧めはこの5面の2曲。この曲、新人さんの石川さんという方が作られたみたいですが、へなちょこだけど、けっこういいセンスだとおもうんですけどね。しかし、いままで一人もこの意見に賛同してくれた方はいませんが・・(笑)。5面の後半の曲なんか、コンティニューの画面でしばらく待っていないと最後まで聞けないと哀れさ。1面と2面がなまじいい曲なんで、普通に聞いていると、みんなこっちに普通はこっちを評価するんでしょうけどね。たしかにシステム2ライクな聞きやすくて、カッコイイ1面の曲、壮大なテーマで迫る2面のクラシックは、私もいい曲だとは思いますが、せっかくだから5面を聞いてください。

Writer:NAGASE



ナムコエクスプレスVol.3 ファイネストアワー
発売元:ビクター 定価:2500円 発売中
お薦め度:

全体的にすばらしい楽曲ですが特に「エンディング」がかなりイイです。まさに「戦争の終焉」ていう感じが思い切り出ています。ゲームの方もキャラ全盛時代のナムコにしては珍しくハードな(難易度も(笑))作品でした。ちなみに作曲者は「スプラッターハウス」でおなじみのショパン田島氏です。

Writer:BD



ナムコビデオゲームグラフィティ9 スティールガンナー2
発売元:ビクター 定価:2500円 廃盤
お薦め度:

いわずと知れた、ナムコSFガンシューの第2作。前作のポップな曲調とは打って変わってかなり重厚な音作りです。作曲は1,2ともに高柳佳恵さん。タイトルデモからストーリーの期待感をあおらせ、スタートからいきなり重いベースラインで緊張感を高めてくれます。(内部に突入するのと同時にイントロからAメロに変わるのがまた・・・)特にお勧めするのが4面の市街地での攻防の時に流れる曲です。これはタイトル曲のグレードアップバージョンになっていて、自分的にはこの作品のメインテーマだと思っています。

Writer:BD



ダートダッシュ
ワンダースピッツ/ポニーキャニオン 定価:2548円 廃盤 WSCA-00017 おすすめ度:車の中でなら

「明るい話題を!」その思念派を受け取った私は、油性マジックでレンズに数値を書き込んだ!
伝説の「スカウターメガネ大作戦」だッ!!(高校時代の友人、こんなイタズラしてゴメン!)
さっそく宝物庫で600枚以上のCDいや〜んサァッちんぐぅ!すると・・・あるぞザイコゲージ反応アリ!
さっそくレビュー!
このCDはナムコが95年に発売したダートレースを題材にしたカーゲーム「ダートダッシュ」のサウンドトラックだ。道なき過酷な道を、不釣り合いなフュージョンサウンドが駆け抜ける!
その耳障りの良さは決して飽きさせることなく我々をビバリーヒルズな夏の海岸へと誘う・・・
もうすっかり夏さ!夏子さん!
ええそうね夏夫さん!
サワヤカBGMでダートコースを走りまくり、100万ウラーの浜辺で地球の果てまでアクセル踏んで、風も震えるヘアピンカーブで永遠の愛を語りましょう!
ようしさあいくぞナッコォもうたまらんこりゃすふおおおおお!!!そんな一枚。
P.S.1ウラーはウルトラの国の通貨単位で約10円。

Writer:ズオウ・リアキ




●カプコン系

メロディは悪くないが、音の練りこみが足りないのがカプコン。FM音源のときの伝統を引き継ぎ、PCMになってからもその音質の悪さは特質物でしょう。

D&D〜タワーオブドゥーム〜
サターン版ゲーム購入のこと 定価:円 発売中 なし おすすめ度:マニア向け

D&Dはカプコンから発売されたアーケードゲームです。推薦しているのは1作目の「タワーオブドゥーム」の方です。ちなみに2作目の「シャドーオーバーミスタラ」は全く知りません。誰かリポートしてぇ〜。
なんとCD未発売! 私は基板を以前に所有してテストモードで音楽が聴けたので満足していたのですが、なんとCP2(カプコンのシステム基板)はゲームをしないで長時間放ったらかしておくと電池が切れてゲームが起動しなくなるという、アホなプロテクトがかかっていて、自分でCD作るしかないのか?と悩んでいました。そんなところ、サターン版でD&Dが発売するとの情報が・・。しかし発売が延びに延びまくり。半年くらいしてようやく購入できました。購入して真っ先にしたことは、ゲームをプレーしないで、CDプレーヤーに入れて音楽がCDDAで録音されているか確認。いや、カプコンさん分かっているじゃないですか!!。ちゃんとCDDAで録音してくれてありがとう。もう涙がでそうになりましたよ。しかし、真っ先にCDプレーヤーに突っ込んだのは私ぐらいだろう・・。しかもいまだに4M RAMを購入していないのでゲームすらしていない。れっきとした音楽CDになってます。
曲はストリングス主体の弦楽曲なんですけど、特徴はPCMのくせに音色が妙にうさん臭いところです。いや、このうさん臭い音色が聴いているといい感じなんです!。これってカプコンの伝統なんでしょうか。Q SOUNDになってからずっとこんな感じだし。FM音源でも全然音色に練りがなかったけど、PCMでもここまで分けのわからないストリングスの音を出してくるとは。おまけにトラック26のエレキギターの音も、うさん臭さ爆発です。薄っぺらさを隠すかのように2音重ねてますし。でもだ〜い好きですけどね。お薦めはトラック17,18,20,26あたり。トラック18の曲は注目です。ここまでうさん臭いストリングス強引に重ねてる曲は、変を通り越して快感でしょう! あとトラック20もなかなか。いきなり弦楽ロックに変身!

Writer:NAGASE



天地を喰らうII 〜赤壁の戦い〜
発売元:ポニーキャニオン 定価:円 廃盤 PCCB-00133 おすすめ度:
(ゲームをプレーした人)
(ゲームをプレーしていない人)

一斉を風靡したあの"ファイナルファイト"系の続編的内容で、キャラクターが三国志のあの武将たちとくれば、燃えないはずがない! 筆者は当時基板を購入してやりこんだ思い出のあるゲームだ。死ぬほど熱いゲームではあるが、音楽に関してかなり厳しい評価をさせていただく。
カプコンの音色の悪さには定評があるが(笑)、この楽曲も全くその例外から外れていない。たしか、「天地を喰らうII」の発売当時、「Q SOUND」なるニューシステムを投入し、音響面において大幅に改善がなされたという話があり期待していた。しかし、これは専用筐体を用いたときの立体音響システムか何かだったような記憶がある(手元に資料がないので詳細は不明)。それまでのCPシステムから「天地を喰らうII」になったときに、CPシステムダッシュとかいう新しい基板になって、音源チップもPCMになったようだ(実際、この基板の中身をみたことがないので詳細は不明だが、音楽を聴くとFM音源の音が見当たらないので)。しかし、PCMになってもやっぱり音色はひどかった。
曲の方は、D&Dと同様で相変わらず不気味な弦楽曲(ちょっと言い方が悪いかなぁ・・)としか言いようがない。全部同じような曲に聴こえるし、印象も薄い。そしてD&Dと違って、メロディがいまいちよくない。ゲームにマッチはしているのだが、単体として鑑賞するのはちょっときついだろう。思い入れのある筆者でこれだから、普通の人が聴いたら「なんだこりゃ」の世界かもしれない。
制約で仕方ないのは分かっているが、もうちょっとストリングスの音質は上がらなかったのだろうか?好きなゲームなだけに酷評になってしまった。いちおうお薦めトラックを記しておく。29トラック目。以上(笑)。

Writer:NAGASE



エリア88
発売元:ポニーキャニオン 定価:1500円 廃盤 PCCB-00018 おすすめ度:

カプコンのアーケードゲーム「エリア88」の音楽CD。筆者が所有しているのは、1500円シリーズのもので、もしかしたら他にあるのかもしれない。ちなみにスーパーファミコンでも同様のタイトルのゲームがあったが、そちらではない。さて、カプコンといえばFM音源の音の練りこみの無さをしつこく指摘しているが、エリア88も相変わらずそれが如実に表れており、音色に全く精彩がなく、つまらない。しかし、その精彩の無さを埋めるかのように、メロディの良さでカバーしており、その点では「エリア88」はカプコンミュージックの中でも出来はトップクラスにあると思う。
お薦め曲は、トラック4,6,10,12,15,16,18。どの曲も聴き心地がよく、とてもメロディアスなのだが、どこか哀愁が漂う曲調である。作曲者がエリア88の原作を知っていて、そのようなイメージで制作したかは不明なのだが、雰囲気はけっこう近い感じがする。ただ、非常に気になるのが1面の曲がCDに収録されていないことだ。なぜ?もしかして海外版ではこうなの? トラック4はCDでは1面と書いているが、実際は未使用曲だったはずなのに。録音する人がボケて間違えたのか?(んなわけないか) それとも、1500円シリーズは安いから収録しなかったとか?(笑) 実は筆者はこの1面の曲が大好きだったので、これが収録されていないことは、正直かなり納得がいかない!!! CDをかけたとき、地雷CD並みにブルーになりました。
音数的にはたったFM6音のみ。PCMも音源には組み込まれているが、爆発音などに使用されており音楽には使われていない。ドラムスは音の特徴からハードLFOを使っていると思われる。ドラム以外のメロディ、ベースなどは5音で構成されている。FMの音が何も練りがないので、これと言って書くことがないのが残念。また、ドライバにもソフトLFO程度の機能もないのか知らないが、そのまま音を垂れ流している。メロディがよいだけに、実にもったいない。ちなみに1トラック目のクソアレンジは絶対に飛ばすように。2トラック目から聞きましょう。

Writer:NAGASE



カプコン・ゲーム・ミュージック
発売元:サイトロン 定価:2310円 再販盤発売中 SCDC-00193  おすすめ度:当時のファン向け

今のゲームファンはカプコンというメーカー名を聞いて何をイメージするだろうか。「ストU」に代表される対戦格闘?「バイオ・ハザード」??それとも「鬼武者」???
どれもカプコンを代表するタイトルなのだが、まだゲームが今ほど一般に認知されていなかった時代から、カプコンは”アクションゲーム”というジャンルにこだわり続けていた。この作品はそんなカプコンの原点とも言えるゲームの音楽がたくさん収められている。収録曲は「魔界村」「ソンソン」「1942」等全9タイトル(+アレンジ2タイトル)。これらはすべてコンシューマに移植されており、今時のゲーマー達にも聞き覚えがあるタイトルもあるだろう。しかしこのアルバムは、今のような小綺麗なアミューズメントパークではなく、近所の駄菓子屋で菓子をつまみながらコインを投入したり、ゲームセンターに集まって友達同士で情報交換したり・・・そんな想い出を持つ人達にとって、より格別なものに映るのではないだろうか。曲の説明にも何もなっていないが、これらはこの作品を語る上では結構重要な要素になってくると思うのだ。単なるノスタルジーで片付けられても仕方ないかもしれない。だが当時を知る古くからのゲームファンにとってこの作品は、今よりもゲームに純粋だった当時の自分を思い出させてくれる。そして、そのストイックなまでのそのゲーム性、印象的な音楽たちは僕達の心にそれが何かはわからないけれど、しかし確実に、熱い何かを残してくれた。

Writer:Y




●セガ系

S.S.T.BANDというチーム名で早くからFM音源やPCM音源を使いこなしていたセガ。大型筐体物の音楽は特に秀作が多く、Hiro氏のスペースハリアー、アウトラン、アフターバーナー、ファンタジーゾーンはFM音源を使った初期の名作。1990年以後はCDがあまりリリースされなくなり、残念であった。

ダークエッジ
CD未発売 定価:円 基板購入のこと おすすめ度:

セガのシステム32のゲームはほとんどCD化されていません。その中で最も光っていたのが紹介する「ダークエッジ」でしょう。噂ではあの鈴木裕がプロデュースしたという話なのですが、ゲームセンターでは全くの不振でした(ゲーム内容はバーチャファイターをポリゴンを使わずに表現した格闘ゲームです)。証拠隠滅にかかったのか彼の作かどうかは全く確証はありません。
ダークエッジの曲の特徴は一言でいえば「ノリ」でしょう。短いフレーズながら、独特なベースの音回し、アップテンポで緊張感のあるメロディ、カッコいいブラスとオーケストラヒットの入り方、思わず体を揺らしてしまうリズムが特徴でしょう。FM音源の出番がほとんどなく、PCMで鳴っている曲がほとんどだが、このノリはゲームに非常にマッチングしています。特に、戦闘の曲中に鳴る、いわゆる「ピンチのテーマ」が非常によい。また、中ボス戦の曲もかなりいける。一度聴いてみてほしいものです。

Writer:NAGASE




●コナミ系

「タイトー」とともに音楽にかけては常に新しいものを求めているのがコナミの「矩形波倶楽部」。FM音源の使い方に関しては「タイトー」にも負けていません。曲調は「タイトー」とは反対にライトな曲調なものが多い。

XEXEX(ゼクセクス)
発売元:キングレコード 定価:2800円 再販版発売中 KICA-7508 おすすめ度:

アーケードで小ヒットして結局コンシューマー機に移植されなかった「知る人ぞ知る」マイナーゲーム(^^;。グラディウスの系統を意識したゲーム内容でしたが、なぜか各面が終了すると島本須美とロリコン王子が掛け合い漫才をするというデモ入っていました。んで、デモでだんだん王女が脱がされていって「私の星をまもって・・」とか「早く・・きて・・・」とか、色っぽく囁いてきます。おめーの貞操守るために戦ってるんかい、わしは!。まぁきっとこんな内容だからコンシューマにも移植されなかったんでしょうね。
音楽の方はFM8音+PCM8音という構成です。曲に拠りますが、メロディ以外はほとんどPCMで演奏されているという感じです。曲調としては、"グラディウスな曲"を発展させた感じ。"グラディウスな曲"といってもピンと来ない人には、戦闘シーンなどで使われるカッコイイ曲!といえばどうでしょうか?(説明になっとらんな)。ともかく"グラディウスな曲"でなんとなく分かる人にはお薦め!う〜んでも、その後発売された「サラマンダII」や「グラディウスIV」の曲よりは、グラディウスから離れているでしょうか。というのもギターやベースのサンプリングが従来の楽曲から異質に聞こえてしまうからです。その分ノリがいい曲が多いです。グラディウスな人にはフィットするのではないかと思います。お薦めは、1面の「Breeze」、2面の「With Zero G」、3面の「Crystal Clear」、6面の「Happy Daymare」と「Out of the blue from the Hyperspace Jump」あたりですかね。しかし、このCDはご丁寧に掛け合い漫才まですべて収録されているので、不要な部分を飛ばすのに一苦労です。
PCM部はハードリバーブや逆再生などの機能を備えていて、たまに耳慣れない変な音がしたりしますが、シンバルを逆に再生したり、おもしろいことをしているようです。またいままでのコナミ音色とは違う効果的なオーケストラヒット、ブラスヒット(というのか?)、超高音の鈴が特徴ですかね。また、2音ずつ重ねたPCMによるチョッパーベースとディストーションギターも効果的です。ちょっと聴く観点を変えると、音のソースに工夫を感じ取れるのではないでしょうか?

Writer:NAGASE



X-MEN(コナミ)
発売元:キングレコード 定価:6200円 コナミ・オールスターズ1993に収録 KICA-9016-8 おすすめ度:

1991年からコナミは海外をメインターゲットにしたアーケードゲームをたくさん制作していました。いまの時勢では考えられないですね。「X-MEN」「G.I.JOE」「バッキーオヘア」「アステリクス」「サンセットライダーズ」・・・ほとんど無名のゲームたちです。しかし、このころのコナミの音楽はFM音源とPCMを組み合わせた実にすばらしい曲を影で生み出していました。「X-MEN」もそのうちの1つです。
私の好きな作曲家の一人「プロフェット深見」氏が生み出した名曲がここにあります。X-MENの曲はノリノリのロック、ファンキーなサウンドです。PCMのサンプリングをこれでもか!というくらいふんだんに使っています。「エックスメン!」のボイスが要所で光るファンキーな1面、そして「エエエエエ、エックスメン!」というボイスで畳み掛けるラップしまくりの2面の曲はセンス爆発。そして極めつけは3面!冒頭に野鳥(野獣?)の鳴き声がフェードイン。そしてそれがそのままラップになって曲が進行し続けるという、なにか違う創造物のような世界。参りましたね、これには。最初聞いたとき思わず笑ってしまいましたが・・。すばらしい。その他の曲ではネーミング時の曲の「FakeDance」っていう曲がいいです。女性コーラスのパワーにメロメロ。「ウ〜ウゥ〜」って外人ねーちゃんはパワーあるなぁと・・。ともかくこれほど聴いていてパワーのあるゲームミュージックも珍しいというか。
FM音源は8音+PCMは8音という構成です。ドラムス、ボイス、ベースなどほとんどPCMで鳴っていますが、非常に早いテンポのバッキングや一部のメロディはFM音源を使用しています。たとえば1面はメインメロディのみFM音源を使用しています。残念なのは、「コナミオールスターズ1993」というCDにしか収録されていない点です。このCDはかなり入手困難です。

Writer:NAGASE



バッキーオヘア
発売元:キングレコード 定価:6200円 コナミ・オールスターズ1993に収録 KICA-9016-8 おすすめ度:

かなりマイナーなゲームだが、是非推薦したい一作。元々アメコミらしいのだが、物語とか詳しいことはよくわからない。広大な宇宙を舞台としたアクションゲームのため、音楽は壮大なオーケストラとなっている。それまでのコナミの曲からすると、ちょっと異色な感じがするが、XEXEX以降の基板でPCM音源がようやく主流になり、さらに強力なハードリバーブ機能を搭載することによって、やっとまともなオーケストラサウンドを表現できるようになったということだろうか。曲調としては、とてもファンタジックで壮大な感じがする。しかし宇宙をさまようような雄大さの中にも、FM音源で味付けされた細かい繊細さが同居している。よく注意して聴いてほしいところだ。特によく出来ているのは、1面の「Planet Warren」、4面の「Space River」。この2曲は「コナミオールスターズ1993」のCDに収録されている。また他にもよい曲が多数あるが、残念ながらCDに未収録である。基板から直接聴くしか方法がないのが残念だ。
実質的にはFM8音+PCM8音という構成だが、曲にはほとんどFM6音+PCM5音が鳴っている程度である。一見少なく感じるが、リバーブ機能などで広がりを出しているようだ。PCMパートはリズム音、ストリングスに主に3パート、ベースに2パートというところであろうか。少し難点を言うと、PCMの音が汚く不鮮明な部分だろう。録音したビット数にも問題があるようだが、メモリの制約などでしかたなかったのだろう。

Writer:NAGASE



A−JAX/魂斗羅
発売元:キングレコード 定価:2200円 廃盤 KICA-2307 おすすめ度:

まずCDを購入したら、「スーパー魂斗羅」は無視して、トラック24の「COMMAND770」を聴いて欲しい。いきなりのオケヒの嵐に驚くでしょう。
コナミのオケヒ伝説の幕開けとなったのが「A-JAX」です。オーケストラヒットとは「バン」というオーケストラ楽器が一斉になったときの音のことです。元々、ゲームミュージックでは「アフターバーナー」や「スペースハリアー」でも使われていたようですが、ここまでオケヒを効果的に使用し、自分のものにしてしまったのは、A-JAXが初めてでしょう。というか、音楽業界全体でも、オケヒをここまで使った曲というのは無かったのではないでしょうか。これって逆にいうと、ゲームのPCM容量にかなり制約があったらこそ出来た産物なんでしょうね。オーケストラヒットのほかにギターのサンプリングや「ベェ」というボイスなど他にもいろいろサンプリングして入れているので、興味深く聞いて欲しいです。ちなみにヤマハのSY99というリズムマシンからソースを取ってきているのではないかという話ですが、実際わかりません。
音源的には、FM6音+PCM2音という構成です。PCMはドラムスに1音、もう一音がオケヒやギター、コーラス、ボイスに使われています。FM音源はメロディとサブメロディをそれぞれ左右にパンを振って使うという贅沢なやり方です。そのかいあって、ステレオ感はバッチリでています。
お薦めはトラック24、トラック25、トラック29、トラック30、トラック32、トラック33あたり。トラック24とトラック30はそれぞれ1面と4面の曲ですけど、これでもかとオケヒを使ってきます。1秒に1回は使っているでしょう。それとトラック32の曲(6面の曲)は左右に流れるFMの音色の微妙な違いに注目です。トラック33はいきなり曲調が変わりびっくりしますが、出だしの「ベベベ」というボイスから始まり、美しいシンセベルの音の広がりを聴いているうちに、どっぷりはまってしまうA-JAXの名曲の1つです。


<その他の情報>
X68K版のA-JAX・・PCMが1chのために、ギターやコーラスのサンプリングがごっそり抜けています。ただし、オケヒは健在。また、ドライバのチャンネル分散(吸出し防止用?)により、FM音源の部分が通常6音のところを8音に振り分けて演奏されています。それによって、音の途切れが無くなっているため、全体的にステレオ感や残響が強く出て、こっちの方がFM部分に関してはいいです。 (お薦め度:)

Writer:NAGASE



魔獣の王国(コナミゲームミュージックVol.4)
発売元:アルファレコード 定価:円 廃盤 28XA-201 おすすめ度:

コナミのオケヒミュージックシリーズの1つ。このシリーズでは絶対に押さえておきたい一曲。ゲームはフィールドタイプの全方向アクションゲームで、グラディウスのようなパワーアップゲージがついたものだったような記憶があるが・・(ゲーム自体はほとんど記憶なし!!)。まずは「魔界天命」「泥人間のテーマ」などを聞いてみよう。これだけ単純な曲なのに、オーケストラヒットという"音"によって、なにかとても重厚なイメージが表現され、しかもこれがとても新鮮でいつまでも心を掴んで離しません。「オーケストラヒット」という、本来楽器ではありえない音を1つ楽器のように使いこなすという、この発想はとても大胆で奇抜に思えます。しかし、ゲームミュージックだからこの発想が生まれてきたのでしょう。普通の生楽器が使えれば、こんな音楽は作らないでしょうし、作る必要がありません。つまり、FM音源とPCMをどう使うか、そのPCMのメモリが少ない場合、それをどのような効果的に使うか、そう考えたときにこの音楽が誕生したのでしょう。
しかし、オケヒファンにはたまりませんね・・。たぶん、このゲームの曲を最初に聞くと、「なんなんだこれは?」と思うでしょう。というのも、メロディが「何も考えていないのではないか?」と呆れるくらい単純だからです。しかし、単純だからこそこの「魔獣の王国」のオケヒがとても生きているのです。リスナーがメロディに心を奪われずに、オケヒにだけ心を奪われてしまう曲・・・。これだけオケヒを前面にだし、頼りきった音楽はこれ以後もそう多くは聴かれません。しかし、こんなにオケヒに頼っていいのか・・作った人は実は手抜きをしただけではないのか?と疑う部分もあります(笑)。本当にそうだったら、作った人はある意味天才ですね。
「血祭りのジャングル」では、オケヒの強弱までつけちゃったりして、不自然極まりないのですが、ずっと聞いていると、なんとも不思議な感じになってきて、脳が慣れてくるというか・・その世界に引きずり込まれます。とても魅力ある音楽ということです。ともかく、コナミのオケヒファンは絶対に満足する楽曲です。聞いていない方は是非どうぞ。

Writer:NAGASE



サンセットライダーズ
発売元:キングレコード 定価:2800円 廃盤 KICA-7605 おすすめ度:

ちょっとマイナーなゲームだが、マカロニウエスタン調のメロディが印象的なコナミの海外シリーズの1つ。ゲームは実に爽快な横スクロール型ガンシューティングゲーム。ゲームの内容を反映してか、ノリが良い曲が非常に多いのが特徴。音源的には、「X-MEN」「バッキーオヘア」と同時代のFM6+PCM8の構成。コナミ得意のオケヒも随所に見受けられ、特にお薦めはトラック5とトラック6。まさにマカロニウエスタン爆発。他の面の曲も、1曲1曲が独立して楽しめる。全体的に大人の雰囲気が漂う曲調で、こういう曲が好きな人ははまるんじゃないかなぁと思います。まぁあまり長い曲は収録されていないんですけどね。

Writer:NAGASE



アステリクス
発売元:キングレコード 定価:2800円 廃盤 KICA-7605 おすすめ度:

このゲームはかなりマイナーだろう。ヨーロッパの児童マンガ(?)である「アステクリス」をモチーフにしたゲーム。コナミがヨーロッパへの輸出を意識したのか、日本では全く受けなかったゲーム。というか、難しすぎておもしろくない。いちおう、ファイナルファイト系なんですが。曲は世界名作劇場のノリ。でもね、これが意外と悪くないんですよ。1面の曲をまず聴くことをお薦めする。とてもコミカルだが、しっかりしている。大人が子どものために書いた曲そのままだが、わざとらしさはあまりなく、子どもの目や耳が自然に感じた世界を、イメージできるような曲である。これもPCM8を有効に使ったさまざまな打楽器によるところが大きいと思う。これほどさまざまな音色、打楽器系を使ったゲームミュージックもあまりみられない。この曲は「サンセットライダーズ」と一緒にコナミゲームミュージックコレクションVol.5に収録されている。お薦めはトラック28、トラック30、トラック33、トラック36、トラック41、トラック43。どれもいいですよ。隠れた名曲ゲーム。

Writer:NAGASE



G.Iジョー
発売元:キングレコード 定価:6200円
コナミオールスターズ1993に収録

KICA-9016
おすすめ度:

コナミ版権モノで唯一の3Dシューティング。ゲームの良さもそうだけど、まず曲の良さが第一印象でした。全音PCMですがなぜかFM音源の匂いぷんぷんするメロディーでかのスーパー魂斗羅を思い起こさせました。とくにお勧めなのが1−1と1−2です。

Writer:BD




●その他アーケード

クロスソード・戦国伝承
発売元:ポニーキャニオン 定価:1500円 廃盤 PCCB-00076 おすすめ度:マニア向け

お薦めは「クロスソード」です。ゲームも渋いのですが、音楽も実に渋い。特徴はFM音源とPCM音源を駆使した低重音。まずはトラック3から聴いて欲しい。なんだか分からないが、妙に低重音を響かせたゴツイ曲が揃っていると感じるでしょう。はっきりいって、クロスソードの音楽自体、これ単体で聴いても全く評価できないと思う。なにがすばらしいかというと、ゲームの世界観とのマッチングがよく出来ている点ですばらしいのだ。つまりあまりにゲームの進行とマッチングしすぎているため、ゲームとシンクロさせないと曲の良さが全く理解できないというシロモノなのである。こんなのに評価5もつけるなと石を投げられそうだが、私がすばらしいと思うから、勝手に書かせてくれ! いちおう私はクロスソードをきちんと最後までクリアしたんだ。これくらいは言わせて(だから何?って感じですけど)。 ちなみにトラック1のアレンジは私にしては珍しく評価したい。元曲のイメージを壊していないのがポイントだ。
欠点もありまして、CDの一曲一曲があまりに短いこと。せめて2ループは入れてくれよな〜。で、もしかしたらNeoGeoCDの「クロスソード」ならばCD-DAでたっぷり長めの曲が入っていると推測した私はCD版を購入してみたのですが、これが超地雷。音楽がこもりまくり。どうしたらこんな悪い音質になるの?教えてって感じです。

Writer:NAGASE



R・TYPE LEO
CD未発売 定価: 基板購入のこと おすすめ度:

CD未発売(と思われる)ゲームだが、かなり曲がよいのでお薦めしたい。曲としては完全なテクノサウンド。曲としてなにかすごいかと言われると難しいのだが、PCMの重いリズム音に、FM+SSG(?)の軽くてポップなメロディが妙にマッチングしている。非常に聴いていて心地よい音楽となっている。どこにでもようなありふれたテクノで、しかも聴いていて古臭い感じがするが、リズムと進行がしっかりとしているので、なぜか聞き入ってしまう。全ての面の始まりに「スリーツーワン、レツゴー」というボイスがあるが、ちょっとダザい感じがする。まぁご愛嬌だろう。残念ながらCDで発売されていない。聴くには基板を購入してテストモードにて聴くしか方法がないようだ。もしかしてCDがあるようならご一報を!

Writer:NAGASE



レディアント シルバーガン
発売元:東芝EMI 定価:3059円 廃盤? TYCY-5613 おすすめ度:

1998年に聞いたゲームミュージックの中で、No.1に押したい楽曲。作者は「蒼穹紅蓮隊」などで一気に有名になった崎元仁氏。昔はPC88で「スターシップランデブー」の曲などを手がけていた。
曲の特徴は重厚さ。この一言に尽きる。崎元氏が目指している音楽というのは、「蒼穹紅蓮隊」や「シルバーガン」を聞く限り、従来のゲームミュージックとは少し異なったものに感じる。西洋のクラシックとも違う、異端的なクラシックとでもいうのだろうか。もしかすると私が知らないだけで、なにか模倣するものが存在したのかもしれない。しかし、この独特の音色とサビの盛り上げ方は半端ではない。
アーケード版「シルバーガン」はSTV基板で動作しているため、CD-DAやストリーミングデータで垂れ流していないと思われる。内蔵音源でここまで重厚なオーケストラを表現されてしまうとその手腕に驚かされる。特に目立つのは、鐘の音色やストリングの巧みさ、そしてライトなドラムスを使わずに、重要なところでティンパニを使用するところ。また、曲の出だしから聴くものの心を掴み、サビに向けて一気に加速。そしてそのサビは期待を裏切らない。ともかく豪快で短い曲だがテンションが全く落ちない。是非一度聴いてみて欲しい。ただし、CDではトラック1から16まではクソアレンジなので飛ばすように。トラック17から聴きましょう。

Writer:NAGASE



NAM1975(NEOGEO SOUND POWER -SNK2-)
発売元:ポニー 定価:2500円 廃盤 PCCB-00031 おすすめ度:

NAM1975は、ネオジオの第一弾のゲームだったのですが、地味なゲームだったため、あまり目立たずに消えてしまいました不運なゲームでした(けっこう内容はおもしろかったのに・・ちなみに最後までクリアしました)。まぁ設定がベトナムで、しかも細菌兵器に冒されたような敵が出てきたりして、普通引いちゃいますけど。
音楽の方ですが、これまた実に渋く私好みです。PCMストリングスを主体としたメロディは実に悲壮感がよく出ています。各面ごとの曲はどれも実にメロディックであり、NAM1975の世界観を構築するには見事に一役買っています。
CDですと、トラック2の途中に1面の曲があるのでまずこれを聞いてみてください。そのあとお薦めは3-1トラック(2面)、3-3トラック(3面)です。一番のお薦めはやはり1面の曲ですが、これは何回聞いてもすばらしいです。ただ、ちょっとCDにエコーがかかりすぎな感じもします。ちなみに1面の曲では、ストリングスが1chのPCMで再現されているようです。その他のベースやブラス系の音はすべてFM音源です。しかし、たった1chのPCMでこれほど音楽の幅が広がるのですから、音は使い方ですね・・。現在はもっと音源的に贅沢なのにあまり感銘を受けませんし。FM音源とPCMがうまくミックスされた時代の良作といえるでしょう。「餓狼伝説」あたりになると、ネオジオもPCMパワーでゴリ押してくる曲ばかりになってしまったので、つまらなくなりましたが・・。
ちなみに最も堪能できるのが、ネオジオCDの「NAM1975」でこちらにはCD-DAで録音されています。1曲に対して3ループくらい曲が入っていて、しかもエコーなどの処理が加わっていないので、こっちの方をお薦めしたいくらいです。

Writer:NAGASE



ビューポイント
発売元:ポニー 定価:1500円 廃盤 PCCB-00112 おすすめ度:

ネオジオ中期のシューティングゲーム(開発はサミー工業)です。斜め方向からのクォータービューということで一部で話題になりました(クォータービューのシューティングはほとんど無かったため)。また、ポリゴンのようなとても美しいキャラクターも話題になりました。しかし、ゲームの難易度が高すぎたために、ゲームセンターからあっという間に消えてしまったのが残念です。ちなみにアーケード版(MVS)だと2人同時プレーで、おもしろいので是非購入してみてください(笑)。
ゲームのウンチクが長くなりましたが、曲はライナーノーツにも書いているように「ハウスビート」というのがピッタリでしょう。特徴として、前半面はメロディ主導のハウス、後半面はテクノなハウスになっています。私は前半の3つの曲をお薦めします。
最もお薦めなのが2面の「UN CAILLOU RICOCHET」という曲。ズンズン響く低重音にプラスして、なめらかなコード進行を持つストリングス、さらにFM音源を2音重ねたシンセベルという一見単純な構成。またハウスの特徴である同じバッキングのフレーズの繰り返しを持つ(私はこれが嫌い)のだが、シンセベルのメロディ進行と、アタックがほとんどゼロに近いPCMコードを、ひたすら繰り返す3重ストリングスによって、ハウスとは少し離れたメロディアスな楽曲に仕上がっています。
1面の曲も音数は少ないのですが、PSGライクなFM音を主体としたバッキング(PSGがあるんだから、使えばいいのに・・・)と、たった1音でがんばる昔さながらのFM音(主メロディ)が、ハウスにミックスされた良作だと思います。後半の4,5,6面はテクノでなにか手抜きしたような感じがあるので、あまり好きではないです(最後のボスの曲なんてPCMしか使っていないし)。
ちなみにCDを購入しなくても、ネオジオCDのビューポイント、またはFM-TOWNS用のビューポイントでも十分に音楽は堪能できますので、こちらもお薦めです。

Writer:NAGASE



ワールドヒーローズ2
発売元:ポニーキャニオン 定価:1500円 廃盤 PCCB-00122 お薦め度:

ネオジオ絶好調の時期の曲。良い曲が多い割に意外と名前が挙がらないゲームミュージックです。このころのネオジオになるとPCMで押しまくる曲が増えてきましたが、ワールドヒーローズ2もけっこうPCMで押しています(ベースなどはFMですが)。まぁSNKの曲よりはかなりFM音源を使っていますけどね・・。さて、ワールドヒーローズ2になって新キャラが加わりましたが、この新キャラのテーマが非常にすばらしい。特にエリックのテーマ(これはニュースジャパンでいつも流れていたので、聞けばすぐに分かるでしょう)、リョウコのテーマ、キッドのテーマなどはかなりよくできています。エリックのテーマは本当によくできてますね・・。まぁニュースジャパンがあれほどしつこく使っていた理由もわかるというものです。キッドのテーマは、これでもか!というほど多種なドラムで攻めてきますが、これがまたよくできていると思います。100円程度で購入できるCDですので、これは聞き逃してほしいないです。安い=駄作、高い=秀作なんて考え方ですが、このゲームの曲に関しては当時のゲームミュージックの中ではトップクラスの音楽だと思っています。

Writer:NAGASE



オペレーションラグナロク
CD未発売 定価: 基板購入のこと なし おすすめ度:

クレイジーメーカー(笑)NMKの唯一のネオジオ作品。作曲はバトルガレッガ、最近では怒首領蜂大往生やケツイで有名な”さんたるる”こと並木学氏。当時のネオジオ作品としては珍しい全編ダンス調のノリノリな曲。道中の曲は普通のダンス調なのだが、ボスが出現した途端破壊的なサウンドにはやがわり。そしてラスボスになるとそのキレっぷりに磨きがかかります。実はこのパターンは前述した3作品にもあてはまり、この作品はいわゆる”並木節”の原点でもあるのです。ガレッガとかが好きな方はぜひ聞いて見てください。

Writer:BD



まじかるで〜と ZUNTATA
ビクター 定価:2550円 廃盤 ZTTL-0017 おすすめ度:ファンの人 / ファンじゃない人

恋・・・!!
その素敵な好奇心が私を行動させた!
このCDを聴いて数万年前にトリップした勢いで、初恋の人に電話をかけるという暴挙に挑む。
はたして、電話はつながった。そこで彼女の口から出た言葉は!
「わたし、今、つき合ってる人がいるの」ガーン!!!
つらかろう。苦しかろう。だがその苦難を乗り越えて人間は成長するのだ(TELするあたりで全然成長していないのが見てとれる)。
さあ、あなたも恋愛ゲームキラーを自称するならこのCDを聴いて、敗戦将軍マケダラケンになろう!
戦いの海は牙でこげ!
悲しみの海は愛でこげえぇぇぇぇあーーーーーーーーあああっ!!
幸せだったあの頃に戻りたい。
それは、すべての人の見はてぬ夢ではなかったか?!
そんな一枚。

Writer:ズオウ・リアキ



ASOU/SNK
ビクター 定価:1500円 廃盤 PCCB-00062 おすすめ度:研究者の人なら

SNK(現プレイモア)のネオジオ初期作品。縦シュー「ASO(アーマード・スクラム・オブジェクト)」の続編。
この頃のSNKはネオジオ末期に比べ、メインにFM音源を使用しているので非常に「ゲームらしさ」が感じられる。4曲目の「THE SPACE FLIGHT(AREA 1)」は前作の面影を残しつつ、重なった音色の響きとうねりがいかにもFM音源っぽい。7曲目「THE BIG BATTLE SHIP(AREA 2 戦艦上)」はひたすら低音を使い、重量感を表現。この曲のように全体的に暗さと重さを感じさせるものが多ので、ノリの良さとかはあまりないのが難点だろうか。14曲目「PLANET OF WATER(AREA 5)」などは、ステージが洋上の遺跡基地?なので爽快感を出そうとした…ようだが力およばず!のように感じられるのが残念だ。
だが救いもある。1曲目の「THE SPACE FLIGHT(AREA 1)」のアレンジは「ヘタ○ソ!」と言われたSNKバンドの中でもなかなかの完成度だ(元曲通りに生楽器で豪華にしただけという説が有力だが)。
最近ではサイトロンのHP上からでも有料でダウンロードできるようになったので、興味のある方は…といっても値段も値段なので、地道に中古屋回りをしたほうがいいかもしれない。ファン用・研究者用のCDだろう。

Writer:ズオウ・リアキ



雷牙/TECMO
発売元:ポニーキャニオン 定価:1500円 廃盤 PCCB-00063 おすすめ度:研究者の方なら

最近、協会の掲示板でも話題となった「斉藤(METAL YUHKI)幹雄」氏のテクモ時代の作品。ゲームはオーソドックスなパワーアップ横シュー。解説には「パソコン等でおなじみのOPNを使用し」FM/PSG音源となっている。そのせいか、この時代の他社にくらべて少し音が貧弱なのだが、それを見事にセンスとテクニックでカバーした(激しい旋律でゴマかす、という説もある)氏の力量は凄いの一言である。それがわかったのは、自分でPC98の音楽ソフトを叩くようになってからであった(買ったCDはちゃんと聴かなきゃダメですね)。
全体の曲の感じは、氏を知っている方ならすぐにわかると思うが、そこらじゅうに「サン○ークロスU」の面影が見て取れる(同じ作曲者だから当たり前か)。ベースの音色とか、和音とか…枚挙にいとまがないが、特にボス系統の曲はそれが顕著である。「サンダー○ロスU」の初期バージョンともいえるだろう。氏のファンなら、ニヤリとすること請け合いだ。
ただ、先ほども書いたように少し音が貧弱なので、氏のファンとか研究者とか、「音が貧弱で曲がうまくできない!どうすればいいんだ誰かヒントをくれっ!」という方用のCDだろう。
P.S.ファミコンのスパースターフォースのステージ6(地面が茶色のところ。時空歴0316年)の曲は「Dog Fight」という。で、このCDの11曲目は「Dog FightU」となっている。サンダークロスUのステージ4の曲名は「Dog FightV」。Dog FightWがあるかどうか確認できていないが、はたして…?
それと、15曲目のエンディング曲「FREEDOM」はどう聴いても「○の谷のナ○ウシカ」…?

Writer:ズオウ・リアキ




●パソコン系

パソコンはほとんどPCMが使えないために、FM音源で勝負している曲が圧倒的。そしてその使いこなし度は半端ではないものも存在する。多くの無名の音屋さんたちによって作られた名曲たちは、時代の潮流にのって消えてしまうには惜しすぎる。

MISTY BLUE
発売元:アルファレコード 定価:円 廃盤 ALCA-123 おすすめ度:

「ミスティブルー」は、PC-8801用のアドベンチャーゲームで、1991年に発売されました。私はPC-8801のゲームの音楽でベスト3を言えといわれたら、この「ミスティブルー」と「ブライ上巻」(後述)、「スタークルーザー」の3つを挙げます。
ミスティブルーの作曲者はゲームミュージックの第一人者と呼ばれた古代祐三氏。彼は作曲の腕もさることながら、FM音源の音作り、音源ドライバのプログラミングにもその才能を発揮しています。古代氏は、「YK-2」というハンドルでマイコンベーシックマガジンという雑誌の音楽コーナーに投稿する学生だったのですが、日本ファルコムで「イース」「イースII」などの音楽をプロデュース(これらは、石川三恵子と永田英哉の3人の合作)しその才能を発揮、さらに「ザ・スキーム」というゲームの音楽で、一躍有名になりました。
世の中には「ザ・スキーム」の音楽を評価する人が多くいますが、私はミスティブルーの方が好きです。ミスティブルーは、FM音源の音自体に聴かせてくれるものが多く、「え?これFM音源でどうならしているの?」という工夫した音が随所に見られます。
ゲーム自体は恋愛をテーマにしたゲームで、古代さんお得意のユーロビートにのって、軽快でリズミカルな音楽が流れます。お薦めとしては、まずトラック1の「In the morning」。出だしのコーラスはPCMです。「回顧シーン」で流れる曲なのですが、ピアノによるメロディはゲーム中の "それまでの楽しかった日々をまるで思い出させるような" すばらしい旋律です。ラストではちょっと切ない、不安な感じをピアノとコーラスだけで見事に表現しています。
トラック9から11は古代さんお得意のディスコミュージックが爆発。特にトラック11のシンセブラスはmmlのテクニックとしても興味深いものがあります。トラック12の「Catch the step」は新しい古代音色を堪能できる曲です。ベース、ミュンミュンいうシンセ、口笛、サックスなど、是非注目していただきたいです。もう廃盤のようですが、中古屋などで見かけたら是非聴いてみてください。

Writer:NAGASE



スナッチャー
発売元:キングレコード 定価:2,200円 発売中 KICA-2308 おすすめ度:(マニア向け)

PC88のゲームサウンドとしてはしばらく再販がかかっていたようで、かなりのロングヒットになった貴重なCD。スナッチャーのゲーム自体については、いまさら語る必要もないほど有名だから割愛する。実際はPC88版をプレーした人よりもPC-Engine版をプレーした人の方が多いだろう。
PC88版の音楽については、見事というほかない。FM音源の音色、使い方、SSGの絡ませ方、ともかく凄い。特にドラムに関してはノイズと組み合わせていると思うのだが、こんな音が出るのかと仰天する。ゲームをプレーした人ならば、絶対にCDを購入して欲しい・・・・と本来ならば一押ししたいところだが、CDに非常に不満が残る。
このCDのプロデューサーに文句が言いたい。「ドラマCD」にするな!!変なセリフや効果音がたくさん入っているために、音楽を鑑賞できない。プロデューサーの意図はなんとなく分かる。スナッチャーの曲を交えながら、CDで1つのドラマを表現したかったのだろう。しかし、本当にこんなものは邪魔以外の何者でもない。当時はパソコンゲームミュージックをそのまま録音して発売するのは売れないと判断したのかもしれないが。
話が逸れるが、ランダムハジルの声は故・塩沢兼人さんで、いまとなっては彼の美しい英語セリフを聞ける貴重なCDというのも皮肉だ。こういう面でお奨めというのもちょっと変だが、塩沢ファンは是非ご購入あれ。
曲に関して聴き所をいくつか。「Bio Hazard」の単音ギターは、FM1音でこの太さで驚かされる。また「Master of puppet」のシンセベルは怖いくらいリアルな音。「DECADANCE BEAT」のなんとも言えないエレキギターの音も注目。それと全体的にピアノの音がうまく作られている。古代音色のピアノと違って、明るさはそれほど無いものの、しっとりした美しさがある。多くの曲で使われているビブラフォンの音は、他のコナミのゲームでもよく使われている音だが、スナッチャー全体を通して最も肝になっている美しい音だ。

Writer:NAGASE



ブライ全曲集
発売元:ポリスター 定価:2400円 廃盤 H24X10010 おすすめ度:マニア向け

ゲームが好きな人ならば、「ブライ」というゲームは聞いたことがあると思います。PC-EngineのCD-ROM^2、メガドライブ、FM-TOWNSやさまざまな機種に移植されました。しかし、移植が下手すぎでさっぱり話題にならなかったというゲームです。ちなみにPC88版はかなり好調に売れたゲームでした。
ブライの音楽は、当時女性ロックバンドとして人気があった「SHOW-YA」が下地を作りました。これは、「ブライ・プロトタイプ(CD:H30X-10008)」というCDがまた別に発売されており、それを聞けばわかります。ただ、実際にSHOW-YAの制作した曲はそのCDに入っている数曲だと思われます。
このプロトタイプ版のCDを聴いてみると分かりますが、レベルとしてそれほど高いとは思えません。この曲をPC88にそのまま移植していたら、さぞ変な曲で構成されることになったでしょう。実はこの無茶な音楽をPC-8801のFM音源に見事に落とした藤岡千尋さんという方です。高校3年の時からバンドをはじめ、プログレ音楽にはまっていた藤岡氏はクリスタルソフトに入社後、いくつかの作曲を担当しています。
このCDをプレーヤーにかけて聴いていても、特にすごいと感じないかもしれません。もし分かったとしたら、かなりFM音源やSSG音源をいじったことのある人でしょう。私が知る限り、FM3音+SSG3音(標準的なOPN音源)でこの人よりも使い方がうまい人はいません。藤岡氏の特徴として、FM3音を主メロディ、ベース、ドラムスに明確に役割分担するというものがあります。普通、メロディをFM1音にしてしまうと、どうしても音色が薄っぺらくなってしまうのですが、藤岡氏の特徴して、FMの1音(特にシンセブラスやギター)が驚くほど太いのです。
また、SSGの使い方が非常にうまく、普通はSSG3音を全部バッキング(コード)に使っています。普通、3音すべてをつぎ込むような贅沢な使い方はしません。これができるのは、FM1音の主メロディの音の太さの産物でしょう。SSGもエンベロープ作りもすさまじく、どの曲を取ってもSSGがFMと完全に融合しています。これほど綺麗に溶け込んだSSGは他では知りません。


<その他の情報>
「BURAIプロトタイプ」・・これはSHOW-YAの元曲を確認する意味で購入してもよいかもしれません。ただ、曲的には期待しないほうがよいです。(お薦め度:)
PC-Engine版のBURAI上巻・・・音楽最低です。(お薦め度:)
PC-98のBURAI下巻・・・音楽はけっこういいです。ただ、作曲者がよくわかりません。今給黎博美?(お薦め度:)
PC-Engine版のBURAI下巻・・・元クリキンの今給黎博美が担当しています。曲かなりいいです。ゲーム自体売っていたら安いので音楽CD用として購入することをお奨めします。(お薦め度:)
BURAI八玉の勇士伝説のCD・・・何の曲なんでしょうこれは。最低。(お薦め度:)

Writer:NAGASE



サイオブレード(PC88版)
発売元:未発売 定価:円 未発売 MSX版ならあり おすすめ度:(マニア向け)

当時、ゲームがアニメーションするということで話題になったアドベンチャーゲーム。メガドライブにも移植されたが、曲はかなり変更されている。さて、PC88版のサイオブードについてのみここでは語らしていただく。このゲーム全般にいえるのは、チョッパーベースの威力。オープニング音楽から、チョッパーベースを主体とした演奏が始まります。FM音源で再現が難しいと言われていたチョッパーベース。さまざまなコンポーザが競ってこの音に挑戦したが、なかなか優れたものは出現しなかったと思う。すごいと思ったセガの「ギャラクシーフォース2」はPCMで騙されたし。あとは古代氏がX68Kの中でみせるボスコニアンのチョッパーもなかなかいい音を出しています。しかし、いまでもFM音源でチョッパーを!という願望は変わらないかもしれません。そして、昔のゲームの中にそれをとてもユニークな音で再現しているゲームが埋もれているのです。このサイオブレードのチョッパー、ちょっと聞くと分かるのですが、ちょっと変質チョッパーといいましょうか、チョッパーの真似をした違う音、というのが正しい言い方なんでしょう。でも、これがなにか10年以上経った今でも私も心に引っかかっているのです。特に注目なのが、オープニングの3音重ねチョッパーベース、オープニングの途中で入る3音チョッパーに強烈なチューニングを施したチョッパーベース、地上編で登場する迷路シーンのチョッパーベースの音などです。ちょっと曲に名前がないのでこの曲!と言えないのが悔しいのですが・・。ともかく一度聞いてみて欲しいです。

Writer:NAGASE



アンジェラス〜悪魔の福音
発売元:アポロン 定価:3000円 絶版 BY30-5205 おすすめ度:

作曲のすぎやまこういち、ミュージックプログラマーの田口康宏。エニックスではジーザス以来このコンビで数々の名曲を輩出しました。アンジェラスはそのコンビの中の曲群でも最高の一作といえるでしょう。すぎやまこちいちは、本業はジャズプレイヤーらしいですが、トリトンや、帰ってきたウルトラマン、ドラクエの方がこのページをみる方には有名でしょうね。しかし意外とアンジェラスは彼の音楽の歴史の中では埋もれているようです(まぁ当たり前と言えば当たり前ですが)。しかし、アンジェラスの音楽はジーザスやジーザスIIでみせるような、親しみやすいすぎやま節がちょっと薄く、彼の作曲作品の中では異色ととれる一作かと思います。さて、すぎさまさんのメロディももちろんすばらしいのですが、私はすぎやまさんの音楽を見事にサウンドボードIIに落とし込んだ、ミュージックプログラマーの田口さんの方を誉めたいと思います。前作のジーザスではお世辞にもFM音源を使いこなしているとは言えない落とし込みでしたが、アンジェラスに関しては、全く別人と思えるテクニックを披露しています。まず、サウンドボードII対応になったために、FM音源が3音から6音になりました。その6音をこれほど甘美な音色構成で表現している作品も数少ないと思います。通常FM音源は単音では薄っぺらい音しかでないために、2音をディレイをかけて厚みを増したりするのですが、彼はかなり短いディレイに(通常は8分音符から4部音符分程度のディレイをかける)、3音の重ね合わせとパンとディチューン(微妙に音程をずらすテクニック)を駆使して、恐ろしいほど美しい音を作り出しました。美しい音色は、アルゴリズム3系統が多いようです。実はアルゴリズム3はけっこう使いこなすのが個人的には難しいと思うのですが、逆にうまく重ねたときにFMらしくらぬ透明感のある音が出るのも特徴です。これらの音が存分に生かされています。特に、「エリス・イン・ジャパン」、「ブライアンとエリス」、「ペルーのテーマ」、「ブルーオブジェ」で魅せる音色はそれまで聞いたどのFMの音よりも甘美で美しく、当時びっくりしました。すぎやまこういちがあまりパートが多くない曲を書くためにメロディに対してモジュール数を贅沢に使えるという相乗効果もあったと思います。ちょっとベタ誉めの感もあるレビューですが、ぜひパソコンゲームミュージックファンの方には聞いて欲しい曲の1つです。CDでは、エコーがかかっていたりしてちょっと耳障りな部分もありますが、フェアライトを使用したアレンジ版も収録されており、聞き応えがあると思います。

Writer:NAGASE



ジーザスII(すぎやまこういちゲーム音楽集に収録)
発売元:アポロン 定価:3500円 廃盤? APCG-9002 お薦め度:元曲は / CDは

すぎやまこういち物としては、「アンジェラス」に続いて2つ目のレビューです。前回の「アンジェラス」はかなりべた褒めだったんですけど、今回はちと辛口です。ゲーム音楽をレビューするときは、どうしても、まずゲームがありき、そしてその上で音楽をレビューするので、ゲームがクソだと音楽もクソになる可能性は高いのは仕方のないこと。このジーザスIIも、もしゲームがおもしろいければ、もっと印象に残ったのかもしれないという非常に哀れな楽曲だったと思います。(といきなり結論が出てしまったわけだが、もうちょっと続けます。)
前作の「ジーサス」がさまざまな面で革新的なゲームであったために、「ジーザスII」はその続編として、当初かなり期待されました。しかし、蓋を開けてみると、主人公はカッコイイのかよーわからん、ヒロインは年増だし、ストーリーはなんか破綻しているしで、単なる時間つぶしでしかなかった感が強い。アドベンチャーゲームなので、こうなるといくら音楽ががんばってもどうしても印象は薄くなります。
ただ曲はすぎやまさん節が爆発です。彼独特の流れるようなメロディや、場面場面で質が落ちなることのないリッチな旋律は健在です。「アンジェラス」は、ちょっとすぎやま節っぽくない部分がありましたが、これはモロ!!って感じですね。特に「ジーザス」から流用した曲や、すぎやまさんお得意の「分かりやすいフレーズのテーマ曲をいろいろなパターンで鳴らす」というのが効果的に入っており、その点では良いと思います。ただ、テーマ曲を比較してみると、前作の「ジーザス」よりは弱いかな?と思います。前作の「ジーザス」の場合は、最後に自分でテーマ曲を鍵盤で弾かないとゲームが終わらなかったという面からもとても分かりやすいフレーズになっていましたし。
音楽プログラム担当は相変わらず田口氏が担当しており、このころになると相思相愛(?)、すぎやまさんの思ったとおりの曲をプログラム化したようで、すぎやまさんも田口さんのことを褒めておりました。あるエピソードで、「船上のハワイアン」という曲があるのですが、すぎやまさんが田口さんに「ワイアン風」と一言書いただけで、田口さんは期待通りの落としこみをしてくれたとか、そんな話もあります。
FM音色は、前作の「アンジェラス」の流用がほとんど。しかし残念ながらアンジェラスほどの音の広がりは見せていません。「船上のハワイアン」のメロディなんかはおもしろい音だと思っていたのですが、実は単に通常のベースを高音で使っていただけだったりして、「アンジェラス」から流用しまくりだなぁ・・と。もうちょい練りこみがあってもよかったかなぁと思います。(流用例: 「軍隊のテーマ」や「ファイト」のブラスは「ハードデイズ」から、「別れ」のシンセブラスは「ブライアンとエリス」から、「コメット」のエレピは、「エリスインジャパン」からなど・・)。別に流用でもいいんですけど、そのすべてが「アンジェラス」に負けているのが気に入りません。
さて、この曲はCDでも発売されています。それが「すぎやまこういちゲーム音楽作品集」というタイトルのものです。まるで図書館に並んでいる学術本のようなタイトルですが、内容はジーザス、ジーザスII、アンジェラス、ウイングマン2、ガンダーラなどがまとめて収録されています。しかし、これは88版の元曲が収録されているわけではなく、すべてシンセによるクソアレンジです。騙されないようにしましょう。

Writer:NAGASE



D−RETURN
CD未発売 - - X68Kで鑑賞のこと

X68Kで初期に発売されたシューティングゲーム。発売元は日コン連。このゲームを知っている人はけっこういると思うのだが、このゲームをバカにする人のなんと多いことか。バックストーリー、音楽、演出などかなりX68K初期のシューティングゲームとしてはおもしろかったと思うのだが。バカにする人はマニュアルを読んで最終面までプレーしてみるべし。さらに、アイテムを取ったときに「リカバ〜」と発する不気味ボイスのセンスは、とても常人とは思えない(手抜きと考えないように笑)。さらに音楽。このゲーム、音楽だけ抜き出してみると、かなり聞ける曲が多い。初期の作品の割にX68KのFM音源のみをたっぷりと使い、場面場面にあったテーマをもって作られている(褒めすぎか?)。日コン連作としては信じられない出来栄えである。特に1.3.5.6.7面や各面のボスの曲がお勧め。特にスクロールした面を逆スクロールしてバックする面(何面か忘れた)の曲がいい。残念なのはドライバがいまひとつだったのかLFOなどの効果が何もかけられていないことだ。それでも音色の重ね方やパートの振り分けは実に基本に忠実にできていて本当に好感が持てる。作者が誰なのかは知らないのだが、ぜひ名乗り出てほしいです。

Writer:NAGASE





●コンシューマ系

ときめきメモリアル PCエンジン版
発売元:キングレコード 定価:3800円 廃盤 KICA-7675-6 おすすめ度:

ゲームに関しては賛否両論ありますが、意外や意外!楽曲はしっかりと作ってあるのでビックリです。色々なジャンルの曲がCD2枚に凝縮されていて聴き堪えあります。ま、救いようのない声優の歌は置いとくとして・・・。これを聴くとプレステ版では歌が上手くなったもんだと変な意味で感心してしまいます。ちなみに作曲はあの初代グラディウスを手掛けた東野美紀さんです。あれから10年・・・時代の流れを感じる1枚です。ジャケットが軟派な絵なんでCDを買うのは相当勇気が要りますが、中古で売っていたら是非買ってみてください。

ちなみに筆者はときメモを最後までプレイしたことはありません。

ときめき度  :★★
硬派度    :★★★★
バラエティ度 :★★★
ボーカル   :★
グラディウス度:★

Writer:TEKO



ザ・サイバーパンクアドベンチャー スナッチャー ズームトラックス
発売元:キングレコード 定価:2800円 廃盤? KICA-7610 おすすめ度:

PC-Engine版のスナッチャーを基盤としたアレンジ版CD。アレンジCDとしては聞ける1枚。曲がおふざけ傾向にアレンジされていたかと思うと、別の曲はやけにまじめにアレンジしてあったりと統一性がまるでない。そもそもスナッチャーのすばらしい元曲に変な笑い声を入れたりするのがけしからん!。はっきりいって文句はいっぱいあるのだが、そこそこ聴ける曲があるので、スナッチャーファンならば購入してみて損は無いだろう。
「One night of NEO KOBE city」はPC-Engine版の完全なオリジナルなオープニング曲だが、これがなかなかよい曲。「Theme of Snatcher part2」もサブメロディが耳に心地よいアレンジだ。

Writer:NAGASE



ガーディアンヒーローズ
発売元:東芝EMI 定価:2800円 廃盤 TYCY-5466 おすすめ度:

セガ・サターンのかなり初期のゲームだが、音楽はかなり秀逸で印象にのこっいるので、お奨めしたい。お奨めはトラック6,8,10,12,15,20。特に6トラックの曲(サターンのゲーム版ではトラック5)は誰か聞いても「いい曲だ」と思うだろう。後半のサックスとメロディ進行は何度聞いてもシビれる。
ゲームの物語はファンタジーアクションロールプレイングだが、全体的に軽い感じのポップスが多く、ノリが非常に良いのが特徴。聞いていて、非常に小気味よい音楽となっている。特筆すべきはメロディの良さだ。歌詞をつけても違和感のないようなしっかりとしたメロディを持つ曲が多い。とても丁寧に作っている印象が残る。また、シンセサイザーの使い方もかなりうまい。近年のシンセサイザーの進歩は、生演奏を不要にするほどの勢いがあるが(でも生にはかなわないが)、生楽器のサンプリングと、シンセサイザー特有の機械音が見事に調和している。
このCDは今となってはかなり入手困難なのだが、サターン版の「ガーディアンヒーローズ」を購入し、それをそのままCDプレーヤーに入れれば音楽が聴けるのでそちらで聞いてもらっても一向に構わない。実は音楽CDの難点がここにあり、音楽CDを購入しても結局1ループで曲が終了してしまうので、一曲一曲をじっくり鑑賞することができない。サターン版のゲームCDと何ら変わりない。CDを購入したとしても、無意味なボーカル曲が2曲追加されているだけだ。そういう意味で、このCD自体の存在価値は非常に薄いかもしれない。

Writer:NAGASE



湾岸ミッドナイト
発売元:サイトロン 定価:2625円 発売中 SCDC-00188 お薦め度:

アーケードの「湾岸ミッドナイト」のサントラCD。ただ、このCDはPS2版のものを収録したらしく、アーケードとは少し違うらしい。作曲は、我らが古代祐三氏。このゲーム、要するに「首都高バトル」だ。発売元もGENKIだし。「首都高バトル」に、楠みちはるの湾岸ミッドナイトのキャラクターが入っていると考えもらえれば想像つくだろう。私がプレーしたのはプレイステーション2版で、こちらはアーケードモード(次々にライバルを倒していくモード)に、原作に合わせたストーリーモード(ミッションモードだったかな?)がある。実は、私はかなり首都高バトルをドリキャスでプレーしていた。このゲームがプレイステーションに移植されると決まり、さらに音楽が古代氏だと聞いたときに、とても期待した。発売日に向けて、まず湾岸ミッドナイトの単行本を買って読み漁りました。伝説のZもここではじめて知ったり(それまで知らんかったんか・・(笑))。そして音楽CDが発売されたので、それを購入したが、これは開封しないでゲームをプレーするまで聴かないでおいた。というのもゲームミュージックはゲームをプレーした上で聞きたい!!。プレーした上で曲を堪能したかったからだ。
さて、レビューを始めようと思うが、実は5日ほど前にこのレビューを一度書いた。しかし、管理人のtekoさんに、これが単なる酷評で私の古代さん復活に対する思いが全然みえないと言われてしまった。考えてみると、いままで私はTAMAYOさんやOGRさんや中山さん、さらにすぎやまこういち氏まで、ダメだと思った曲はバッサリと独自の見解で斬ってきた。しかし、古代さんだけはそうできなかった。中途半端だった。このホームページの中心が古代さんであり、さらに訪れる多くの人も古代さんファンだろう。しかも管理人さんのtekoさんは古代さん=神と考えているような人である。だから私は柄にもなく腰が引けたレビューを書いてしまったのだ。こうなれば私にも意地がある。これから書く内容は、中盤までは前と変わらないが、最後の方は思い切り個人的意見を言わせてもらうことにした。たとえ、世の中の古代ファンに嫌われようが、構わない。
まず、ゲーム購入して、プレー。最初に感じたことは曲があまり聞こえないし、ゲーム中も全然印象に残る曲がない・・・ということ。カーセレクトぐらいは印象的だったが、あまりに豪華で突拍子もない曲なので、これはどうみても合わない。ゲーム自体は、原作を知っている人ならばかなり熱い作りになっている(特にミッションモード)。しかし、音楽は鳴っていても、それ自体で盛り上がることはない。湾岸ミッドナイトは、シナリオすべてクリアしてかなりやりんだが、これだけやりこんで、音楽が全然印象に残っていないゲームは珍しい。これはゲームミュージックにとって致命的だ。実際にCDで曲だけ聞いてみると、比較的明るい曲が多く、主旋律のメロディを強調したポップス系。ライナーノーツによると、昔のアウトランのようなメロディが耳に残るような曲を目指したということで(これはナムコの担当の意向もある模様)、あぁなるほどと思った。しかし、これはアウトランじゃない。「湾岸ミッドナイト」ですよ。「湾岸ミッドナイト」!!。命をかけた漢の壮絶なバトル物語です。古代さんほどのプロであれば、「湾岸ミッドナイト」にこの曲はダメだ。世界観がアウトランなんかと全然違う。いくらナムコの担当にそう言われたからって、「何を言っているんだ、このヘタレが!!」くらい制作サイドにいって、世界観を構築する音楽を目指すべきだったんじゃないかと。
さらに曲自体の出来が悪い(すべての曲が悪いとは言わない。全体としての話)。私がいままで聞いた古代さんリリースのCDで一番出来が悪い。全然知らない人に「ポリタインとかいうペンネームの新人が作ったみたいよ」とか適当なこと言って聞かせても、「ふーん、そうなんだ」で終わりそうだ。たしかに「古代節」っぽいところはある。しかし、私がいま使った「古代節」という言葉は曲者だ。古代さん信者にとって、「古代節」というのは魔法の言葉だ。「古代節」があるというだけで喜ぶ人たちが多くいる。私は「古代節」はFM音源だからできたマジックだと思う。現在の音源に当時の「古代節」をつけるとあまりにも陳腐になってはっきりいって無残だ。まるで、「イース」や「ソーサリアン」がMIDIでへなちょこアレンジされたような印象しか受けない。
誤解しないで欲しいが私は「古代節」を否定する気なんて毛頭ない。私も「ミスティブルー」「スキーム」「イース」と、古代さんに大いに魅了されたし、その当時の古代節は大好きだ。いまでもPC88のゲームで最も偉大なゲームミュージック作家はと言われれば、その一人に古代氏をあげる。
10年ほど前を考えてみよう。古代さんは絶好調だった。「ミスティブルー」「アクトレイザー」はすごかった。「ベアナックル」は個人的に好みではなかったが、それでもいまでも熱狂する人は大勢いる。古代さんの名前はゲームミュージックコンポンザーの中でも輝いていて、ちょっとゲーム好きな人はみんな知っていた。古代さんが音楽を担当するだけで売れた。まさに「古代節」が炸裂していた。しかし、徐々に古代さんの曲は衰退してきた。私たちは期待していたはずだ。古代さんは、将来ゲームミュージックの枠を超えて、音楽界に名乗りを上げる新進気鋭の人になると違いないと。
それがこの現状はなんだ。古代さんの知名度はいまや知る人ぞ知る、マニアック的な存在になった。ちょっとインターネットで「湾岸ミッドナイト」の曲の感想を検索してみる。曲のことなど一言も触れられていないものが多い。またある有名ページをみると、「懐かしい」「ゲームミュージックっぽい」「すごいです」「古代さんマンセー」などなど。しまいには、「涙が出ました」という感想まである。別にこれらの意見は何も否定しない。そう思っているのだろうから。
だが、ファンの人はみんな心の底から本当に思っているのか? 本当は心の中ではこう思っているのではないか? そしてそれを考えるのを避けてはいないか? いまの古代さんは全然輝いていないことを。このCDは、本当に昔の古代さんの曲と同じような感動とショックを与えてくれるだろうか? 
もし古代さんに以前のように多くの人に感動を与えてくれるような曲を願うならば、もっと古代さんに噛み付こうではないか? もっともっと厳しい意見を言ってもいいんじゃないか?それともこのままの古代さんで満足なのか? 私は新しい時代にあった、新しい音源にあった、新生「古代節」を聞きたくてたまらない。そしてそれがどういう形になるのか見てみたい。そうは思わないか?

Writer:NAGASE



エスパードリーム・めもりあるべすと
発売元:コナミ 定価:1500円 廃盤 KICA-7603 おすすめ度:

コナミのFCディスクシステム「エスパードリーム」('87)とFCロム「エスパードリーム2」('92)のカップリングサントラ盤。「1」はコナミのGM黄金時代とも言える時期の作品で、当時”コナミのディスクゲームサウンドにハズレなし”と謳われただけあってそれに恥じない内容となっている。ゲームは夢の世界を冒険するといったRPGで、シューティングの要素が強いのが特徴。どちらかというと明るい印象を持つゲームで、それにあわせた音楽がゲームの世界観にとてもマッチしていた。思わず街を歩いている時に口ずさんでしまいそうな「村のテーマ」「エスパー・ドリームなのさ」、幻想的な「ダンジョンの夢」、聴いているだけで楽しくなってきそうなエンディング曲など、隙のない出来。個人的にはコナミの代表作「悪魔城ドラキュラ」と同じくらい好きな曲だ。もう少し曲数が多ければ言うことなしだったのだが、それは欲張りすぎか。「2」はVRC6というチップを積んでより厚みのある音を実現している(同社の「マダラ」「ラグランジュ・ポイント」も同じものを採用していたと記憶しているが未確認)。前作から5年も経ってしまったために普通のゲームになってしまい、音楽も印象が薄くなってしまっている感がある。その中で「港町のテーマ」はうまく前作を継承している曲と言える。ちなみに前作の曲も数曲リメイクされているので音の変化(進化)を聴き比べてみるのも面白いだろう。余談ではあるがコナミは「ワイワイワールド」をはじめとして自社の曲をリメイクして何度か別の作品で使用しているが、そのたびにとてもうまい作りをしてくる。前作のファンサービスという意味も含めて心憎い演出だ。
「エスパードリーム」は元々マイナーな部類のタイトルなので今では手に入れることが難しいかもしれないが、コナミ黄金時代の遺産としてぜひ聴いてもらいたい一品。

Writer:Y



デビルサマナー・ソウルハッカーズ オリジナル・サウンド・トラックス 
発売元:アトラス 定価:3873円 廃盤 KICA-5008/9 おすすめ度:

サターン、PSで人気を博した「デビルサマナー・ソウルハッカーズ」のサントラ盤。ディスク2枚に100以上もの曲がぎっしりと詰まっている、贅沢なシロモノ。クリアケースにプリントされた、物語のヒロイン”ヒトミ”が何とも眩しいが、中のブックレットを取り出すと物語の核となるもう一人のヒロイン”ネミッサ”が現れるという音楽以外の所でも凝った作りとなっている。このゲームは「真・女神転生デビルサマナー」の続編として発表されたが、”マニア向けのメガテンシリーズ”というイメージを払拭するため、かつて無いほどユーザーフレンドリーな作りがされていて好感が持てる内容だった。それでいて”メガテン”の持つ奥深さは少しも損なわれておらず、今でもシリーズ最高の出来との呼び声が高い。私も近年あまりゲームをしなくなってしまったが、この作品には最低250時間以上費やして、相当やりこんだものだ。そんな訳でこの作品のサウンドに対しても当然思い入れが深いため、採点が甘くなってしまうことをお許し願いたい。
先にも述べた通り、この作品はゲーム中できるだけストレスを感じないよう丁寧に作られているが、その反面主人公はハッカーチームの一員という、何だか胡散臭い設定(笑)になっている。それを反映してか、音楽は全体的にハードなもの、アンダーグラウンドっぽいものが多数を占めている。3Dダンジョンもののゲームなので余計にそういった傾向が強くなる面もあるだろう。聴く人を選びそうな曲調ではあるが、ぜひ聴いてもらいたい一作だ。いきなり激しくノイジーなオープニング曲、悪の巣窟っぽい「アジト」のテーマ、不気味さと激しさを併せ持った「レッドマン」のテーマ等々、数々の魅力的な曲が聴く者を魅了していくことだろう。ゲーム本編もあわせてプレイすればより感情移入できること間違いなし。ライナーにすべての曲について作曲者の一言解説がついているのも嬉しい。

Writer:Y